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上海天文台がVLBIを用いた高精度軌道決定システムで「天問一号」を導く

2020年 7月 27日9:43 提供:東方網 編集者:範易成

  23日、火星探査機「天問一号」を載せたロケット「長征5号(Long March 5)」が、中国の南にある海南島の文昌発射場から打ち上げられた。これを受けて、上海佘山の麓にあるVLBIデータ処理センターでは、探査機の「道案内」で大忙しになっている。

  火星の捕捉などを担う

  火星と地球の最も遠い距離は4億キロメートルで、地球と月の距離の千倍もある。「天問一号」は地球を離れた後、中国科学院上海天文台が主導するVLBI(超長基線電波干渉法)を用いた高精度軌道決定システムを使って火星に向かう。火星の捕捉から着陸、火星表面の探査まで、VLBIは様々な任務の軌道決定を担う。

  「天問一号」の火星探測任務は三つに分かれている。火星周回軌道の航行、着陸、それに火星の探査だ。これらを宇宙船と探査機が手分けして行う。宇宙船は火星周回軌道から主体的に探測を行うと同時に、地表を探索する探査機の通信中継器として働く。探査機は火星に着陸したら観測装置を設置し、火星探査車を放って探索を開始する。

  VLBI高精度軌道決定システムは「天問一号」の「ビーコン」である。システムは北京、上海、昆明、ウルムチにあるアンテナと、上海天文台のVLBIデータ処理センターから構成されている。

  このシステムの解像度は、直径3000キロメートルの電波望遠鏡に相当する。測角精度は百分の一秒(1秒は1度の1/3600)だ。

  測量精度は月探査より高い

  距離が遠くなるほど信号伝送の時間が長くなり、信号強度も弱くなる。VLBIの測角精度に対する要求はより厳しくなっているので、月探査と比べて今回の火星探査は明らかに更なる挑戦と言えよう。

 軌道決定の精度を上げるため、何十ものソフトや設備機器が開発され、それが各観測所に設置された。これらのソフトや設備機器が観測装置の精度と信頼性が大幅に上昇させたことで、火星探測機の軌道決定任務を完璧に果たせるのだ。

(実習編集:范応良)