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ニュース解説:「イスラム国」を壊滅させたイラクでなぜテロが頻発するのか

2018年 1月 17日11:04 提供:新華網日本語

イラクの首都バクダッドで15日、朝の通勤時間帯に自爆テロが発生した。労働者が職を求めて集まる繁華街の広場で実行犯2人が相次いで爆弾を起爆させた。イラク衛生当局によると、少なくとも27人が死亡、91人が負傷した。

全国土を回復し、2018年の新年休暇を静かに迎えたばかりのイラクの治安情勢は一変悪化した。各地でテロが相次ぎ、バクダッドでは爆破事件が頻発している。

アナリストは、イラクは過激派組織「イスラム国」(IS)に対し勝利を宣言したものの、組織の残党勢力は依然としてテロを起こす力を持つと述べ「イラクにはテロを育む土壌が今なお存在し、治安面で厳しい試練に直面している」との見方を示した。

今年に入り、バクダッド以外のイラク各地でもテロが頻発した。

アバディ首相は昨年12月9日「3年に及ぶ苦しい戦いの末、政府軍はISに制圧されていたイラク全国土の奪還に成功した」と述べ、ISに対する歴史的勝利を宣言した。

ISの壊滅に伴い、イラク国内のテロの発生件数は明らかに減少した。国連イラク支援団(UNAMI)の統計では、2017年12月、イラク国内で武力衝突やテロにより死亡した民間人の数は69人にとどまり、過去数年で民間人の死者が初めて100人を下回った。

イラク国民は、ISを壊滅させれば平穏な生活が送れ、テロの脅威から解放されると期待したが、状況は長続きせず、2018年早々全国各地でテロが発生。特に首都での爆破事件は同国政府と国民に「反テロ闘争はまだ終わっていない」ことを実感させた。

イラクの政治アナリスト、イブラヒム・アメリ氏は取材に対し「アバディ首相はISとの戦争の勝利を高らかに宣言したが、一連のテロは過激派組織が全滅したわけではないことを示す。残党勢力は依然として首都を含む各地でテロを起こす力を持つ」と語った。

治安事情に詳しいイラクの専門家は「ISの残党はサラーフッディーン県やディヤーラー県などに身を隠す者や、都市に潜伏しテロの機会をうかがう者もいる。政府軍はディヤーラーとサラーフッディーンとの県境にある山間地帯で掃討作戦を実施している」と述べた。

アメリ氏はさらに「イラクにはテロをはぐくむ土壌が依然として存在する。政府は解放した地域の生活再建を迅速に進めなければならない。民間人が再び治安の安定を実感できるよう、宗派間対立を解消し、政治的和解を行うべき。テロをはぐくむ土壌の根絶こそ、イラクの反テロ闘争に最終勝利をもたらす」と述べた。

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