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安倍首相のロシア訪問:「経済カード」で「政治結び目」を解け難い

2016年 9月 6日11:49 提供:新華網日本語

新華網ウラジオストク9月6日(新華社記者/魏良磊、呉剛)日本の安倍首相はこのほど、ロシアのウラジオストクで第2回東方経済フォーラムに出席し、ロシアのプーチン大統領と会談を行い、双方は経済分野の協力を強化することを決定した。これは5月のソチ訪問に続き、安倍首相の今年2度目のロシア訪問になる。

アナリストは次のように指摘する。安倍首相はこのほど、ロシア外交の強度を引き上げ、経済協力を通じて領土問題解決などの政治目的を実現することを画策している。一方で、日本経済そのものが困難に直面し、ロシアの領土問題への強硬な姿勢もあるため、安倍首相の企ては実現が難しいと予想される。

安倍首相は2日、プーチン大統領との会談で、次のように表明した。極東地区の開発はロシアの重点任務の一つであり、日本は最大の努力を払い、ロシアと極東で協力することを望んでいる。一方で、プーチン大統領はロシア側は政治的側面から両国企業の連携を強化したいという意向を支持すべきだと考えていると述べた。

今回の訪問のために、安倍首相は出発前に「対ロシア経済分野協力担当大臣」のポストを新設し、腹心の世耕弘成経済産業大臣に兼務させた。安倍首相は世耕氏をロシア訪問に同行させただけでなく、プーチン大統領との会談にも出席するように手配した。日本の時事通信社は経済を重視するプーチン大統領にとって、この準備は一つのポジティブなシグナルだと指摘する。

安倍首相は今回の会談で経済協力への強い意向を示したが、アナリストはその背後にある本当の目的は政治問題にあると指摘する。

第一に、日本は経済上の利益を利用し、ロシアの領土問題への譲歩と取り換えたいと考えている。

日本メディアは安倍首相の今回のロシア訪問は経済を突破口に、領土と平和条約の問題を進展させることが狙いだと報じている。時事通信社は安倍首相周辺の関係者の話を引用し、領土問題は憲法改正と同様に、残された「政治遺産」のために安倍首相が解決に尽力する最重要課題だと伝えた。

第二に、日本はロシアとの関係を発展させることで、中国への牽制を意図している。

中国とロシア両国は最近、政治と安全保障分野の緊密な協力によって、日本に不安を抱かせている。モスクワ国際関係学院外交教研室のパノフ主任は中日関係が緊張しているため、安倍首相にとって、ロシアと中国が団結して日本に反対するのを阻止することが極めて重要だと指摘する。

日本は懸命にロシアを引き入れようとしているが、専門家は経済協力を政治的利益と取り換えようと企む安倍首相の目的は実現し難いと捉えている。

事実上、日本とロシアの経済貿易協力は、長期的に低水準にあり、ロシアは現在、日本の貿易相手国ランキングで15位で、日本とロシアの貿易額は日本の対外貿易総額の1.6%を占めるに過ぎない。原料価格が下落し、ルーブルの通貨価値が下がるなどの要因から影響を受けて、両国の二国間貿易額は2015年同期比で31%減少し、今年上半期に前年同期比でさらに36%減少した。

さらに重要なことは、ロシアは領土問題で譲歩する考えはないことだ。2日の会談で、安倍首相とプーチン大統領は平和条約問題について討論したが、双方はいかなる具体的な共通認識も得ていない。

(新華社より)