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米国の法律専門家:南中国海仲裁案は国際法を侵害

2016年 6月 29日18:49 提供:新華網日本語

  新華網ハーグ6月29日(記者/劉芳 甘春)米国国務省のエブラハム・ソウフィール前法律顧問は26日、一部の国はフィリピンが南中国海の強制的な仲裁を一方的に申し立てる方法は、関係各国の実質的な利益を厳重に侵害するだけでなく、国際法に対する侵害にもなると述べた。ソウフィール前法律顧問は、米国が中国の主張する正確な軌道に戻り、フィリピンが交渉に応じるように勧告するために積極的な役割を発揮することを提言した。

  ソウフィール前法律顧問はオランダのハーグで開催された南中国海仲裁案及び国際法治シンポジウムで、次のように説明した。フィリピンが一方的に提起した仲裁案に参加しない中国の姿勢には堅実な法的依拠がある。国際条約は主権国家が一部の紛争を外交ルートを通じて解決するのを保留することを認めている。国際司法、又は仲裁機関が主権国家の合法的行為を受け入れない場合は、国際条約に対する侵害にもなる。

  ソウフィール前法律顧問は米国とカナダの領土紛争の解決プロセスを例に挙げて、次のように指摘した。国際的な実践に基づいても、国際関係から現実の状況を判断するにしても、南中国海紛争のような国際紛争は解決の期限を設けるべきではない。「米国とカナダは1812年の戦争以降、10カ所で境界紛争が起こったが、このうち一部は海域境界紛争だった。両国は2カ所の紛争に仲裁を提起することに同意しただけだ。その他の紛争は複雑な政治及び経済と密接に関連しているため、いかなる一方が遭遇する不利なマイナス効果を回避するために、最も適切な解決方式とリズムを慎重に考慮せざるを得ない。」

  ソウフィール前法律顧問はまた、次のように述べた。中国は大多数の陸上境界紛争を段階的かつ効果的に解決し、関係各国はより多くの努力を払い、主権争いを棚上げすることで、協力の発展を可能にしてきた。一方で、フィリピンは極めて賢明さに欠けるやり方で、 一方的に仲裁案を提起し、これを契機に中国の立場が変わることを期待しているが、それは「純粋な妄想だ。」

  ソウフィール前法律顧問はさらに、南中国海仲裁案が特に『条約』などの国際法に与える侵害に深い懸念を示した。ソウフィール前法律顧問は記者に次のように述べた。主権国家は本来、法律基盤において高度な政治問題が強制仲裁に巻き込まれることを拒否できる。主権国家を強制的な仲裁に強引に押し込むことは、国際法の実質的な発展を阻害する。この状況のもとで、主権国家は不法と判断される裁決を執行しないだけでなく、国際条約から脱退し、その他の紛争を国際司法、又は仲裁に委ねることを拒否できる。

  ソウフィール前法律顧問は最後に次のように強調した。米国は過去においても、将来においてもフィリピンの訴求と類似する紛争に対し国際仲裁を提起したことはない。近年は逆に、中国が仲裁裁判所の裁決を遵守し、いわゆる「法治」を支持するように繰り返し要請している。米国は誠意がまったくない仲裁を支持するよりも、フィリピンが「虚偽の勝利」への追求を放棄するよう促し、この仲裁によって起こる危害を阻止する方がよい。ソウフィール前法律顧問は、米国が中国の主張する正確な軌道に戻り、フィリピンが交渉に応じるように勧告してはじめて、南中国海紛争の解決に向けて建設的な役割を発揮できると述べた。

  (新華社より)