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第十六回 上海の家庭料理を味わう
2004 -2 - 10   14:59

                               三屋亮子

 今年上海で初めて「春節」を経験した。話には聞いていたが、予想をはるかにこえる爆竹のすごさでビックリした。日本では静かに新年を迎えるのに、全く対照的だ。来年は自分でも爆竹をやってみようかな、なんて思っている。

 そして最近、もうひとつ初めての経験をした。上海の人のお宅におじゃまして家庭の食事をごちそうになったのだ。友達の紹介で知り合った呉さんのお母さんが、「50歳大寿」のお祝いをするというので誘いを受けた。当初、レストランを予約するつもりだったらしいが、私のために、家庭の味を披露したいということで、呉さんの自宅でお祝いすることになった。呉さんのお母さんの兄弟姉妹とその息子や娘など、親戚が総勢18人。呉さん以外誰も面識のない私は、部屋に着いた時はやや緊張していたが、みんな特に意識せず、「随便」だったので、すぐその空気に馴染むことができた。

  料理は全て,呉さんのお母さんの妹さんが準備。他の人はちょっと手伝う程度で、食事ができるまでの約2時間、テレビやおしゃべり、マージャンに興じていた。驚いたのは、今年95歳という呉さんのお母さんのおばあさんもマージャン台を囲んでいたこと。とても元気で、眼は良くてメガネは必要ないし、耳も普通の声の大きさで聞こえる。何より、マージャンができるということは、頭がしっかりしているということだ。残念ながら上海語のわからない私と、上海語しか話せないそのおばあさんと会話することはできなかったが、ニコニコと笑顔を向けてくれてうれしかった。

 さて食事が始まった。二つのテーブルを17人が囲む。なぜ17人かというと、料理担当の妹さんはずっと台所にいて料理を作っているからだ。なんかかわいそうと思ったが、それが一般的なことらしかった。私はビールで乾杯するのかと思っていたがそれもなく、皆それぞれテーブルに運ばれてくる料理に箸をのばし、妹さんがひとり台所とテーブル間を行ったり来たりした。料理は外で食べるものとほとんど同じ。冷菜から始まって温かい料理、手作りの春巻きやギョーザ、デザートのお汁粉もあり、どれもおいしかった。妹さんに拍手をおくりたくなった。

 後できくと、材料の費用は50歳を迎えた呉さんのお母さんがだしたそうだ。日本ならお祝いされる本人が出費することはまずない。招待された人がプレゼントを渡したり、費用をわけあったりするのに、その日、呉さんのお母さんにプレゼントを渡した人はいなかった。国が違えばこうも違うものか・・・。

 次回は、春巻きの作り方を教えてもらう約束をして、私は帰路についた。

 
 
 

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