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作者:T・H
8年ぶりに「桜」に逢えた。京都の中心を流れる鴨川は、満開の桜に縁取りされてピンク色に輝いていた。
上海に住み始めて8年、年に2〜3回帰国してはいるものの、なぜか桜の時季はタイミングが合わず上海にいて、日本の桜から随分遠ざかっていた。地元京都にいた頃は、春を迎えればあたり前のように桜吹雪の中を出勤、「花見」なんて特別なこともせず、桜を見ても特別な感情はわかなかった。なのに、やっぱり私も日本人だったということか、上海にきて毎年春が来ると、桜が恋しくてたまらなくなった。上海でも植物園などで桜を見れるそうだが、やっぱりちょっと違う・・・。
今回一時帰国するにあたり、上海の友人数人から日本の桜と富士山の写真を撮ってきてほしいと頼まれた。それを聞いて、こちらの人にとって桜と富士山は昔からかわらず日本の象徴なのだと改めて思った。富士山は私の住むところから遠いのでカメラに収めることは次回にゆずって、そのかわりに満開の桜をデジカメにバシバシ収めた。早速、上海の友人にメールで送信すると、すぐに「キレイ!ありがとう。」の返事が返ってきた。上海の人と桜の美しさを共有できるなんて本当に嬉しい。と同時に、上海の人に本物の日本の桜を味わってもらえないのがとても残念に思えた。
でも、高層ビルが屹立する上海市内でも、最近はそこここで花壇が造られるようになった。人工的ではあるが、緑がある街は人の心をなごませる。これは国が違えど同じだ。以前は花市場まで行かなければキレイな花を入手することは困難だったのに、今では上海市内に花屋がどんどん増えて、素敵にアレンジもしてくれる。先日、家庭教師をしている少年のお母さんの誕生日に花束を贈ったら、涙を流して喜んでくれた。これからもっともっと上海の人が、花を、そして自然を愛でる機会にめぐりあって、美しさに感動する気持ちが芽生えていってくれることを望んでいる。
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