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(斎藤 彰)
五〇歳の節目に上海での就職を決意する
須崎孝子さんは、長年、アパレルメーカーで製品企画、販売を担当し課長職を務めていました。
会社が製品の委託生産を上海郊外の中国メーカーで行なっていたことから、中国に関心をもちはじめた須崎さんは、いつしか“発展する中国を実感したい”という願望を抱くようになります。
そしてついに、二〇〇二年三月、五〇歳という節目の年齢を迎えたのをきっかけに、営業関係の知人の紹介で、上海のメディア関連会社へ就職することを決めました。
女性が一人で中国で働くことに、家族からは反対の声があがったそうですが、須崎さん自身は特に不安を感じていなかったといいます。
時間を守らない中国人に初めはいらいらする
須崎さんの現在の勤め先での主な仕事は、中国語学習ソフトの企画?販売、日系企業や滞在日本人を対象とした中国に関する情報の発信などです。年収は日本円に換算すれば、二五〇万円程度、勤務時間は午前九十から午後五時半。休日は日曜日だけですが、特に不満をもっていません。
中国で働き始めた日本人のなかには、中国人の行動様式や振る舞いに違和感を覚える人が少なくありません。須崎さんもそうでした。
「たとえば、日本人は時間に正確ですが、中国人は約束した時間を守らないことが多く、早目に指定された場所へ行ったのに、相手がなかなか来ないので、初めのうちはいらいらさせられました。今では、慣れてしまいましたけれど」。
中国人の自己主張と真正面で向き合う覚悟が必要だ
また、須崎さんは、日本人と中国人との間の特に印象に残る相違点として、「バスや地下鉄、食堂・・・・・・街の至るところでとにかく、みな大声で話す」ということをあげます。
この「大声で話す」という中国人の特徴は、言い換えれば、彼らの自已主張の強さを物語るものです。中国で働く日本人は、そんな中国人の自己主張と真正面で向き合わなければならないことを覚悟しておく必要があるでしょう。
そのため、自己主張をするのが苦手な人にとっては、中国での生活・仕事は気苦労に感じられることが多いかもしれませんが、逆に、そうでない人にとっては、日本よりもむしろ中国のほうが働きやすく、また暮らしやすいかもしれません。
須崎さん自身は後者のタイプでした。
「日本であれば、そこまで言うと関係がこじれると自制するようなことを言っても、中国人は日本人のように根にもちません。日本のように、余分な気を使わないでよいこと、女性も自分の意見を堂々と主張できることは、中国で生活していて感じる喜びの一つですね」(筆者注=もっとも、中国人はメンツを大変気にします。そのため、メンツを傷つけるようなことを言うのは禁物です)。
中途半端な気持ちで中国に来るのは禁物
最先端の知識とセンスを求められる情報メディアの世界、なおかつ中国という異国で奮鬪する日々を送りながら、須崎さんは、誰に対しても親切で、その世話好きな性格ゆえに、多くの人から愛され信頼を得ています。
そんな須崎さんに、中国で働きたいという人へのアドバイスを求めたとき、まず返ってきたのは、「中途半端な気持ちで来ないこと」という一言でした。
「また、相手に教えてやるという態度は禁物です。相手と一緒に新しい仕事をしていくという気持ちが必要ですね」。
(実習編集:張雪蓮)
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