上海の豫園(日本の浅草のようなところ)で売られている「中国結び」はこれまでずっと人気のある商品だった。
これは綿系やナイロン系などを使用した「組み紐」製品で、伝統の装飾品を組み込んでいるのが特徴である。種類はとても豊富で、「唐辛子」(生活水準の向上)、「鯉のぼり」(子供の進学が順調にいく)、「財」(財という文字を大きく浮き立たせたもので、金持ちになれる)などが人気の商品だ。
店頭で「中国結び」を売っている王大中(45)氏が語ってくれたところによると、昨年のメーデー頃からよく売れるようになり、国慶節の頃も引き続き人気で、特に今年の春節のときには飛ぶように売れたという。このおかげで、「中国結び」を売る店は一時20店舗を超えた。
しかしながら、この4月下旬以降、重症急性呼吸器症候群(SARS)の急襲により、観光客(買い物客)が激減。王氏が経営している店の販売額も半減した。今後の対策を聞くと王氏は「世の中、自然災害があるように、SARSがもたらす困難を乗り切る決意がある」と自信たっぷりに語った。
別の店の許平生(38)氏は、「SARSの影響は数ヶ月以内に食い止めることができるのではないか」と楽観視しながら、SARSの特効薬の早期開発を専門家に期待しているという。
( 章坤良 写真も )
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