「鬼街」は北京の東側の東直門近くにあり、北京で最も有名なグルメ街の一つである。「鬼街」は90年代前まで「東直門内大通り」と呼ばれていたが、当時は何軒かのレストランがあるだけだった。90年代末から、夜が更けてもここで食事をする客が多くなってきたことから、一部のレストランが営業時間を延長し、その後24時間営業になった。

 　そのうち、「東直門内大街」は「何時でも食事が出来る場所」として徐々に北京の人々に知られるようになった。数多くのレストランが集まって、その名も「古代の食器」を意味する「グェイの町」に変わった。「グェイ」という漢字の書き方が難しいこともあって、同じ発音の「鬼」が当て字として使われ、通称の「鬼街」となった。鬼街ではほとんどのレストランが24時間営業で、夜更けまで街全体がにぎわい続ける。

　ところで、東西の長さ1000メートルほどの鬼街には、148軒の24時間営業のレストランが集まっている。夜になると、町の両側に並ぶ500個以上の赤い提灯に灯が点り、街全体を真昼のように明るくする。

 　鬼街の人気料理はなんといっても、ピリ辛のザリガニといえるだろう。北京では、ザリガニを食べることが一時期流行したが、当時、鬼街のレストランで毎日テーブルに載せられたザリガニは重さ何トンと数えるほど多かったそうだ。