−−中国国内の学界で、この度の安倍氏が選挙で惨敗を喫したことについて、おそらく政策制定の上で小泉元首相の時代に戻ってしまい、再び国民の支持を得るのではないかと心配をしているのですが
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増子輝彦;(民主党福島県参議院 総務委員)
その心配はないと思う。安倍氏は確かに政策面では小泉氏の主張を少し受け継いだとこはあったが、結局のところ二人とも自身らの性格もまったく似つかない、異なった二人の政治家だからである。今、人々が重要視しているのが、安倍氏がこの度の選挙に敗北した後、外交政策方面(平和に対する憲法改正等を含む)で変化をもたらし、再び選挙で国民の支持を得るのではないかと言うことである。
−−その点については我々も同様に心配をしています。国内の一部の右傾ムードに迎合することで、中国に対しより一層強硬な政策を打ち出し、中日関係の発展に障碍を来たすのではないかと?
増子輝彦:
その可能性は極めて低いと言えるだろう。靖国神社の参拝という点でも、安部氏が首相に就任して以来いままでまだ一度も参拝をしていないし、尚且つこの後も参拝をしない姿勢を取っている。彼はこのような姿勢をもって中国政府と日本国民に、自分と小泉氏との外交政策上での違いを示している。仮にこの先参拝を行なうのであれば、それは自分の政策主張が確固たるものでなかったと民衆に印象付けることになり、そうなれば益々国民からの信頼と支持を得にくくなるだろう。
――この情勢の中で、将来の中日関係についてどのような見方をしていますか?
増子輝彦:
まずは東アジアの平和問題が直接世界平和に影響を与えるのではないかということである。それは東南アジアの平和が中日間の関係の良好発展を具体的に示すものだからである。私はこれからの中日両国の政府と民間とで、誠意のある交流と文化面での橋渡しができることを切に願っている。日本の政治家として、日本がこれまで中国に対し行なってきた侵略行為については、反省とお詫びの姿勢を取るべきであり、それと同時にこれからの中日関係の発展を見据えなければならない。日中両国は政治・経済・文化等の各方面で、合作できるとこはまだまだたくさんあるはずなのだ。
(来源:21世紀経済新聞 聞き手:葉建国 翻訳:呉 恵伊)
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