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「安倍首相失脚の可能性小、日本強勢政治家時代の衰退(上)」=金熙コ氏(写真)
2007 -7 - 18 10:51

                                  

 安倍内閣に関するスキャンダルは未だに止まる兆しを見せない。今日、新任の農林水産大臣赤城徳彦氏が長期に渡って農相の実家を主な事務所にしながら、多額の経常経費を計上していた問題で、メディアにスキャンダルを起こしたことから、安倍首相は再度世情の渦に陥ることとなった。また三年に一度行われる日本参議院選挙まで20日を切った今、内政の外交のみならず、安倍首相個人に対する魅力など、自民党や安倍首相の支持率向上をもたらす要素の選択には限りがあると見える。

 だが、日本全土が政治の衰退期に入る背景には、民衆の選択余地などほぼないに等しい。このような情勢下にある中、我々は事の次第を詳しく検討するために、中国社会科学院日本所副所長の金熙コ氏に事情を伺った。

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中日関係を語る金熙コ氏(右から一人目)

(上)

【スキャンダルの原因は歴史に対する知識の認識不足である】 

ーー最近しばし安倍内閣に関する問題が頻繁に取り上げられているが、これはもはやただの偶然では説明できなくなっているように思われますが、先生はこのことについて、どのような見方をされていますか?

金熙コ氏:

 近頃集中的に勃発している安倍内閣のスキャンダルに関して、私は3通りの見方を持っています。一つ目は行政改革に対する問題である。この問題に関する最もな例が、厚生労働省社会保険庁による5000万件にも及ぶ年金記録漏れの問題だが、この事件の直接的原因は古くから日本における社会保障制度の混乱や医療、退職金などの多数の制度の両立、帰属別部門の管理システムにある。行政改革の一環として、日本政府は社会保障制度の一元化を促進する過程で、実に多種類における厚生年金や国民年金などを一元的に記録したため、今回のような大量の年金記録漏れの問題が生じてしまったのです。

  二つ目は政治の腐敗問題である。先日農林水産大臣である松岡利勝氏が、政治資金問題で首吊り自殺を図り、現職閣僚の自殺は二次世界大戦以後初めてなことである。日本はまたかつて歴史上で長期に渡り、政治の主導を握っていた「政・官・財」の「鉄の三角形」体制のもとで、腐敗かつ卑劣な政治取引を行っていた。前世紀80年以降、「政治とカネ」の結託による腐敗問題改善を目標に、日本は政治体制の改革に打って出たが、この度の松岡氏の事件で再度、日本政治の資金問題など、腐敗防止のための改革が失敗だったことが明るみとなった。またこうした問題は自民党内に止まらず、他の政党にも存在しているんです。

  三つ目は外交問題である。日本防衛大臣久間章生氏は、アメリカによる原子爆弾の投下について「しょうがない」などと発言したため辞任処分となった。このような第二次世界大戦に対する認識は日本国内では決して許されないことであり、また外部の人から見ても、何であれ原子爆弾は殺傷能力が高く非常に危険な兵器であることに変わりはなく、残忍で、例え如何なる場合であっても、多くの人々に被害を及ぼしたと言うことは、決して許されるべきことではないのである。

ーーこのように一つの内閣に密集してスキャンダルが勃発するのには、それなりに深い原因があるように思われるのですが・・・

金熙コ氏:

 このような政治に関するスキャンダルが出たのには、二つの政治的原因が挙げられます。一つは安倍首相および安倍内閣政権が軟弱無力であること。二つ目は国家にしろ、政府または法律にしろ、戦後以降日本は当時の歴史的戦略について、一行に良い結論を打ち出すことができず、さらに国家的にも統一された認識もなく、これらのことが内閣官僚たちの間で常に見られる、同じ歴史的事実についての不同な二種の認識を引き起こす不思議な局面の原因となっているのです。その中でも特に、第二次世界大戦は日本やアジア、および世界の近代史に対する事件に大きな影響を及ぼしているのである。

(聞き手:叶建国 翻訳:呉恵伊 写真:章坤良)

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