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中国の石油価格の設定問題について
2006 -12 - 7 15:52

董晨悦

 

 従来より、石油とは工業にとって欠かせないものである。この価格の変動は、どの企業の利潤をも大きく左右するという重要な作用がある。

 

 今年、国際原油価格が80米ドル/バレルという歴史的高値に近づくにつれ、中国政府もそれに応じて石油価格を高く設定している。

 

 しかし近頃、原油価格が60米ドル/バレルあたりにまで落ちてきている。だが中国の精製油価格は依然として高止まりしたままである。このため、中国の石油価格の設定方法に対して多方面から非難の声があがっている。これにつき簡単に分析してみる。

 

中国の石油価格は、国家発展改革委員会により設定されている。標準価格は、弾力係数を設定せず、ただシンガポール、ニューヨークそしてロッテルダムという3つの都市の原油価格をベースにして計算され、設定される。

 

本来、需給関係は価格の変動に大きな影響を及ぼすはずであるが、中国国内の石油市場においてはそうではない。なぜかというと、一つは、国内の石油価格の調整と国際原油市場価格の変化にタイムラグが存在するためである。国際市場であるシンガポール、ニューヨーク、ロッテルダムの3つの加重平均価格が一定の幅を超えた場合にのみ、政府は国内販売価格の調整を行う。毎回この調整時間の間隔は少なくとも1ヶ月以上で、時には何ヶ月も動きがないこともある。こうした調整後の価格は、時間が経ちすぎているため国内市場の需給状況に反映しにくく、簡単に国内価格の調整と国際原油価格動向の不一致を招く。更には流通市場において投機行為が引き起こされ、石油市場の需給が不安定となる。

 

二つ目は、国内の精製油が中石化、中石油の二大集団の独占的な原油コントロール下にあり、この二大集団が国際原油価格の動向から国内価格を予想し、時期を見計らい備蓄をするためである。これが原油加工量を完全に実現させることができず、それに加え、すぐには価格が変動しない等の原因となっている。

 

関係筋によると、現在国家発展改革委員会は石油の価格設定構造の問題について、近い将来、国際市場価格の変動がすぐに中国の国内市場にも反映できるよう検討中であるという。これが実現されれば「上がるだけで下がらない」という現状から脱することができるであろう。

 

 
 
 

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