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私達は何をすることができるのか?
――小泉時代後の靖国神社問題
2006 -8 - 31 14:52

清華大学歴史学部助教授 劉暁峰

  ここ数日、続けざまに数人の中日関係に関心を持つ友達が私に、小泉が首相を辞めた後、中日関係でどんな変化が発生するかを問い合わせて来た。広く皆が関心ある問題である。

  問い合わせは、数ヶ月前の日本の外交官との会話を思い出させた。当時、その日本の外交官も仮定・前提のある問題を聞いた。日本の首相が靖国神社参拝を停止したら、中日関係は完全に好転することができるか?その時、私は問い返し、あなたは日本からやって来たばかりで、今日の日本の社会の各種の世論について理解している。たとえあなたが、日本の首相が靖国神社参拝を停止すると保証することができたとしても、同時に今後、日本の政治家の中で、「南京大虐殺はなかったのだ」「大東亜戦争はアジア解放の戦争だった」「東京裁判は戦勝国の敗戦国に対する裁判で、正義性がない」など、こうした類の話を堂々としないと、保証できるかどうか?

  日本の外交官は、このような保証をすることができる人はいないと、率直に認めた。

  だから、私はあなたの仮定の質問に対して答えることに否定的にならざるを得ない。予想することはができて、いつも日本の政治家は堂々と、このような「粗暴な言葉」を言い出し、歴史の傷跡が蘇ってしまう。そのため、中国の民衆は今後の中日関係に対して、疑問の目を投げかけると答えた。

  これは問題の根本的な問題点である。私達のニュース、新聞の焦点は、日本の首相が靖国神社を参拝する問題に集まるが、しかし問題の核心と本質、範囲は、はるかに靖国神社問題を超えている。問題の核心と本質は、過去の歴史について、どのように認識するかが根本的な問題である。中日関係に影響する問題は非常に多いけれども、しかし歴史問題は、必ず中日関係にとって根本的な影響を持つ核心の問題である。

  人類の歴史は、永遠にさまざまな力を共同で推進した結果である。中日の間は、経済上ますます深くなる相互依存関係にある。中日の間は文化上、悠久の交流の歴史を持っている。多く人が議論して来たように、現代の国際関係の骨組みの中で、中日関係は協力すれば双方に利益があり、分裂すれば双方が傷を受けるのである。問題は良い中日関係を打ち立てるために、私達が何をすることができるのかということである。私はずっとこの問題を考えている。日本を研究する学者として私は、私達中日の知識人の間で建設的な疎通のルートを構築することが推進できるかどうか。どのように私達の声を完全に日本の民衆の耳元まで伝えることができるか。私達は中国と日本のマスコミに従事する人の間で、対話の場を作り上げる可能性があるだろうか、と考えている。

  このような考え方は、小泉時代後にあるので、靖国神社の問題がやはり中日関係の重要な問題である。

  重要なことは、すでに中日関係を観察する一つの指標と言える点になったためで、重要なことは歴史上の一連の問題についてどのように評価・認識するかに関係するためで、重要なことは中国と日本の間で、歴史認識問題上の巨大な相違が、今後の中日関係が簡単に一方だけで発展する可能性がないこと決定付けたためである。しかも、たとえ小泉首相の後任が、政策的に考慮して靖国神社を参拝しないとしても、決して中日関係の問題の根本的な解決を意味しない。靖国神社問題を生む土壌がまだあるため、問題はまだその他の角度から現れてくる可能性がある。

  このため、たとえ靖国神社の問題が解決を得るとしても、そのことはただ一つの特殊な段階の終了で、別の一つの段階の始まりを示すだけである。中日の相互理解に通じる道は、まだとても遥か遠く、とても多くの建設的な努力が必要である。すべては本当に楽観を許さないのだ。

(実習編集:周生傑)

 
 
 

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