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理知的に、実務で中日関係を改善
2006 -3 - 3 9:50

 中日の政治関係は日本の小泉純一郎首相が靖国神社参拝に固執しているため、膠着状態に陥っている。麻生太郎氏は新任の外相として、その職務からして、努力して中日の政治関係の膠着状態を打開する方法と道を探すべきだが、就任以来、次から次へと無責任な発言をしており、中日関係をさらに悪化させている。

 このような雰囲気の中で、日本の経済産業大臣の二階俊博氏は、中国を訪問した。昨年10月に小泉首相が五回目の靖国神社参拝をしてから、初めて訪中した自民党内閣の閣僚である。

 喜ぶべきことに、今回の二階大臣の訪中は、この春の日、中日関係に暖かさをもたらした。

 二階大臣は訪中期間に、中国の商務部長・薄煕来氏や関連部門の指導者と中日の東シナ海の天然ガスと経済協力などの問題について広範な討論を行った。温家宝総理と唐家旋国務院委員達は二階大臣と会見し、両国の関係と共通して関心ある話題についてお互いに意見をかわした。

 なぜ二階氏の訪中が中日関係に暖かさをもたらすことができたのか。肝心な点は、同氏が理知的で、実務的な態度で中日関係に対応し、両国関係を改善する方法を探し求めており、火に油を注ぐこともなく、天下の混乱を望むこともないからである。

 昨年7月、前任の経済産業大臣の中川昭一氏は、まだ論争がある「中日間の中界線」の日本側海域で、日本の帝国石油に採掘権を与える決定をした。東シナ海の情勢はたちまち一触即発の状態になった。

 今年1月9日、中国の外交部のアジア局局長・崔天凱氏は、日本アジア太平洋局長・佐々江賢一郎氏と資源エネルギー庁長官の小平信因氏らと共に、東シナ海の天然ガスの開発について、「中日の東シナ海問題の非公式会談」を行って、双方はいくつかの原則的な共通認識が成立した。小平氏は日中双方共に開発するのがよい解決案だと語った。

 1月14日、二階氏は中日両国の東シナ海の天然ガスの開発問題を協議する際、日本の石油企業向けて、深刻な論争がある東シナ海海域における天然ガス採掘の許可は決してできないと明確に表明した。さらに「国内のある人は、日本には道理があり堂々と採掘できると言うが、私はそうすべきではないと思う、そういう話にどんな意味があるのかと指摘した。中国と衝突しても、問題は解決できず、東シナ海の天然ガス開発問題については、中国と粘り強く交渉を行うべきで、双方の相違を解決してこそ、両国関係の発展に利益がある」と述べた。

 二階氏の上述した立場は理知的で、歴史の流れに合っており、立場も実務的なものだ。このような立場から出発する限り、中日両国の利益にかなう解決方法を探し出せるかもしれない。

 現在、経済のグローバル化はすでに各国の相互依存、相互協力の状況を絶えず深めており、平和、発展と協力は時代のテーマになって、他国を傷つけ孤立させようとすれば、きっと自国も損失を受けるのである。

 このため、最近、アメリカの国務次官・ゼーリック氏は中日米三国が歴史問題についての「共通の対話」構想を提起した。アメリカ企業研究所が主催した中日関係のシンポジウムで、アメリカの前国務副長官は明確に、中日米三カ国は対話の体制を作り上げ、三カ国間の関係改善を希望すると発言した。また、日本が中日両国の信頼を促進させるために、もっと多くの措置を取るべきで、アメリカも米日同盟の強化を望むが、この過程は「中国に対してできるだけ透明であるべきで、中国の誤解を免れるようにする」ことを希望すると語った。

 グローバル化の歴史の流れの中で、相互対話を通して、矛盾を解決することは理知的な態度であると明らかに強調している。

 もちろん、中日両国には2千年の友好往来の歴史があり、50年の戦争の歴史もある。中日関係にはいろいろな曲折もあった。しかし、歴史が証明しているように、仲良くすれば両方に利益があり、仲が悪くなれば両方とも傷つく。中日両国間に、問題や意見の食い違いが起こることは避けがたい。だが、双方が歴史を尊重し、中日共同声明と中日平和友好条約の原則を守りさえすれば、必ず障害を排除し、矛盾を解決し、友好協力の事業を推し進めることができる。

 このような背景の下で、もし堅持して対立立場に対抗するならば、現実的な対立を拡大して、その後の結果は考えるだけに恐ろしいのだ。明らかに、中日両国にとって、更に相互対話を通して、矛盾を解決することを強調しているべきで、これでやっと実務に励む態度である。

 二階俊博大臣はその理知、実務に励む態度で中日関係に暖かさを与えてきたが、中日関係に徹底的に冷たい現状を回転して暖かさを取り戻させるのは、まだ小泉首相が根本的に中国に対して態度を転換して、まず靖国神社を参拝することを放棄するのだ。

(作者は上海社会科学院アジア太平洋所・副所長、交通大学環太研究センター・主任である )

(実習編集:楊麗俐)

 
 
 

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