上海で最初の患者が30日午後、退院した。同市で同日までに、新たに中国人2人の新型インフルエンザ感染が確認された。
この2人は、上海で最初に感染が確認された中国人男性(30)と同じ中国国際航空178便に乗って23日にメルボルンから上海に着いた男性乗客(22)と、同便に乗務していた女性客室乗務員(33)だ。いずれも中国国際航空のオーストラリア発の同じ便で上海に到着した後、発熱して経過観察措置が取られていた。
一方、中国衛生省が29日発表したところによると、広東省広州市が28日に報告した1例の海外渡航による新型インフルエンザ疑い例が感染と確認され、患者と密接に接触した1人も感染の疑いがあると見られている。これは中国大陸初めての二次感染疑い例となった。
大陸部で二次感染者が現われたことに対し、衛生省は高度に重視し、広東省へ専門家グループを派遣した。関連情報はすでにWHO・世界保健機関に通報された。そして、29日午後、衛生省は全国衛生機関の電話会議を開き、今後の新型インフルエンザ対策を討議した。
中国疾病コントロールセンター流行病学の首席専門家・曽光氏はこのほど、「海外渡航による新型インフルエンザ感染例の増加によって、中国大陸では、2次感染のリスクが日増しに増加している。これに対し、政府は対策をとっており、国民は慌てる必要がない」と語った。
曽氏はさらに「当面の情況からみると、国内での二次感染が発生しても、コントロールできる。しかも、大多数の感染例は自治に治るか治療できるので、国民は過度に心配する必要はない」と語った。
「感染拡大予防措置を確実に実施せよ」と強調する李克強副首相(中央)
広東省で新型インフルエンザの初の二次感染例が29日、確認されたことを受けて、中国の李克強副首相は当日午後、北京で、「新型インフルエンザの感染拡大予防措置を確実に実施しなければならない」と指示を出した。
李副首相は、また、「今の情勢から見れば、国民の健康と社会の安定を守るため、新型インフルエンザの感染拡大の予防対策をしっかりと行わなければならない。それと同時に、ワクチンの研究開発を急ぐべきである」と強調した。
中国衛生省は30日、この日午後4時現在の中国大陸での感染確認者数は当日北京市で新たに確認された二人を加え、24人となったと発表した。
(編集:章坤良 写真:新華社)
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