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“ 対岸千里でありますが、運命を同じく共有 ” ー呂娟社長 
2008 -7 - 17 14:50

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日本の女優中野さんと共に映画「鶴よ飛べ!」に出演する呂娟氏(左)

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「雲南映像」日本公演を大成功させる呂娟氏

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第9回世界華商大会期間、“現代中国9人の画匠”展を主催する呂娟氏

 株式会社アルバックスの代表取締役呂娟氏は、著名な在日企業家だ。 2006年、地球環境保護の大切さを訴える日中合作映画『鶴よ飛べ!』に全額出資すると同時に、女優の中野良子さんと共に、特別出演してこの映画をヒットさせた。呂娟氏は並みの企業家ではない。先ごろ、彼女が中心となり日本公演を大成功させた『シャングリラ』の「中国の著名な舞踏家ヤン・リーピン」にみられる“花のような美しいイメージを持つ女性”として、呂娟氏もまた心に花のような美しいイメージを“理想の美”として持っており、その美は、これまで手がけた事業の中の“公益の美”であり、現代社会に必要とされる“偉容な美”なのだ。  

 男勝りの大きな抱負

  呂娟氏は中国河南省鄭州の出身で、1990年に日本に留学した。2000年に大学院を卒業した後、潟Aルバックスを創立し、人材派遣や国際貿易、旅行業の事業を展開すると共に、近年は特に中日文化交流事業に力を尽くしている。今年までに会社の総資産は、創設当初の200万円から順調に推移して100億円に達し、中日両国の経済界、産業界などの各界にその名がひろ汎く知れ渡ってきた。創業以来、一万人余りの中国留学生や研究生の人材派遣を行い、潟Aルバックスは最大の在日中国人の人材派遣会社にまで成長した。

 国際貿易の面では、日進月歩で新しくなる中日間のビジネスを慎重に展開し、今では中日両国の数多くの都市や企業と貿易のパートナー関係を築いている。会社が順風満帆に発展する歩みに合わせ、力を注いできた中日文化交流事業の面でも大きな業績を上げてきた。

 呂娟氏は、1990年に日本へ留学して以来、日本における中華文化の推進や中日友好関係の構築に全力を挙げて取り組んできた。この業績に対し、中国文化部、中国文連、在日中国大使館、及び日本の各界から高い評価を得ている。

“文化報国”、中日友好に尽力

 中国の月刊誌『中華児女』『中国女性』『産業と経済』や、日本のNHK、TBSなど数多くのメディアで幅広く報道されている呂娟氏は、インタビューを受けるたびに、次のように確信をもって力強く語っている。

 “中国人としての社会的な責任は、心に自然と発生したものです。たとえ今日の事業と財産を所持しなくても、私は敢然と祖国中国と中日友好のため尽力いたします。そして、私が事業を成功させ、財産を蓄積した今、中国や中日友好のために更に尽力しようと決意しています。”

 2005年11月、1人の友人が映画『鶴よ 飛べ!』のシナリオを持って、この映画に投資するかどうか相談に訪れた。

 <あらすじ> 中国東北部で生活する徐鉄林一家は、湿地に生息する動物を保護していた。娘の徐秀娟は、幼い頃からその影響を受け、林業大学を卒業するとタンチョウ鶴保護区に就職する。沼の中の、二羽の傷ついたタンチョウ鶴を救おうとして、23歳という若さでこの世を去ってしまう・・・。

 「主人公が二羽のタンチョウ鶴を保護するために尊い犠牲になった悲しい物語」に感動した呂娟氏は、“日本人からの投資は要らない。我が国の英雄を私たちの手で世界に訴えるよ”と、『鶴よ 飛べ!』の資金面の全面的バックアップを決意した。

 『鶴よ 飛べ!』は公益性の高い映画ではあるものの、幾ら投資しても経済的見返りはないという事実を知りながら、呂娟氏は“それでも、自分の力で我が国の環境建設事業に貢献したい。一人の中国人として、環境保護事業を日本や世界に広く宣伝することは、決して逃げてはいけない私の義務である。”

 呂娟氏は、『鶴よ 飛べ!』に約1億円投資、中国での公演を主催し、政府や文化、経済界など中日両国の各界から大好評を博した。その後、この映画は「第15回中国金鶏百花映画祭」に出品され、栄えある“新人製作賞”を受賞している。

 2007年、「第9回世界華商大会」が日本の神戸で開催された。開催期間中に呂娟氏が主催した「世界華人2007年中国書画芸術精品大展」と「中国現代書画の巨匠九人展」は、悠久の歴史を誇る中華民族の光り輝く文化を発揚し、中国商人がいっそう盛会となるよう良好な雰囲気をかも醸し出すため「世界華商大会」での“知識階級の商人の交流”も開始した。このような地道な縁の下の力持ちの努力に対し、呂娟氏は、「世界華商大会組織連盟」の丁楷恩主席から表彰を受けた。

 2005年、世界的に著名な舞踏家ヤン・リーピンが指導する歌舞集『雲南の映像(シャングリラ)』は、中国雲南省の「貴重な文化遺産」を発掘し、整理・表現した独特な芸術形式であり、国内外で一大センセーションを巻き起こした。2008年の桜のつぼみが今にもほころびそうなまさ将にその時に、呂娟氏は、日本のテレビ局TBS、東急文化村の協力を得て『雲南の映像(シャングリラ)』の日本公演を実現させた。観客の入場率は連日100%を達成し、『シャングリラ』の日本公演は、前売記録と観客動員数記録で、東急文化村のオーチャードホールの従来の記録を塗り替えてしまった。呂娟氏は、「将棋」を初めとして、日本人の敢闘精神や技巧のわざ技が生きている日本の卓越した文化に新鮮な興味を示し、これらの素晴らしい伝統を中国に広めることができるように常に望み、努力している。その願望の実現の一つが、呂娟氏が2004年から実施している「中日友好小中学生将棋コンテスト」であり、毎年一回北京や寧下など中国各地でコンテストを開催し、中日青少年間の友好交流に力を入れている。

 “人と人とが交流しなければなりません。特に、中日青少年間の友好交流は最も大切であり、これは、中日関係を改善することにとても重要な役割を果たします。”呂娟氏は、中日青少年交流を話題にする度に、こう述べている。

 一人の留学生の愛国心

  2008年8月の、中国が主催する北京オリンピック五輪は、全世界の華人・華僑に感動と栄光をもたらすもので、聖火リレーを応援することは、在日華人や華僑にとって偉大な使命である。呂娟氏は、中日文化交流事業や会社の経営を行いながら、日本の長野県で行われる聖火リレーにずっと関心を持っていた。聖火リレーを応援するボランティアが資金不足の状況にあることを知るや、呂娟氏は、2000枚の北京五輪用Tシャツを提供したばかりでなく、匿名で「聖火リレー組織委員会」に100万円送金した。この多額の寄付金のお陰で、聖火リレーの応援ボランティアは、資金不足の急場をしのぐことができた。この匿名で寄付した人に感謝の意を伝えたいと「聖火リレー組織委員会」の責任者たちは焦った。必死で調査するうちに、この奇特な匿名の送金者は、2000枚の北京五輪用Tシャツを提供した潟Aルバックス社長の呂娟氏であることが判明した。彼女は匿名で寄付したことをしぶしぶ認めながら、“中国人に対して、社会的な責任は持ち前のものであり、私が一人の海外旅人として、祖国にわずかな力で報いることを、みんなが覚えてくれさえすれば・・・”と語る。

 その他にも、中国紅十字会注-1総会の“世界ビューティコンテスト ― 中国農村部貧困児童健康公益活動”に参加した寄付を行い、2007年5月には、立命館大学で開催された第1回“世界孔子学院論壇フォーラム”に出席し、1500万円相当の書法作品集「天鵝溪漫記」を立命館大学孔子学院に寄贈した。本年5月、四川省大地震被災地に寄付するなど、呂娟氏は、公益活動での業績において注目を浴びている。

(注-1)紅十字会とは,日本でいう赤十字社のこと。

 幸運にも胡錦濤主席に接見

 本年5月6日、中国国家主席胡錦濤が訪日、「春を暖める旅」を開いた。訪日中の胡錦濤主席と福田首相による中日首脳会談が行われ、1972年の国交正常化以来4番目となる共同声明「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する中日共同声明」の署名式が行われ、また、地球温暖化対策に関する共同声明「気候変動に関する中日共同声明」も発表された。これによって、胡主席の訪日「春を暖める旅」は、両国国民の一層の交流に、自信を深めさせるものになった。胡主席は、訪日中の5月8日、東京で200名の在日華人・華僑の代表と接見した。一人の在日華人企業家として、呂娟氏は、すべての在日同胞と同じく、胡主席訪日の「春を暖める旅」を通じて、より良い中日関係を築けるようにと心から期待していた。

 この願望が叶えられた時に、呂娟氏に感動の嵐が走り、目には万感の泪がとどめもなくあふれ、心の中に千言万語が去来するものの言葉にない。「お疲れさま。私は中国政府を代表して、あなたたちが中日交流に貢献したことに感謝します。」胡主席は、華人・華僑の代表と握手する度にこう語りかける。

 胡主席が呂娟氏と接見する時に、「胡主席もお疲れさま。私は在日同胞と共に“春を暖める旅”の大成功を心より祈願し、70万人の在日同胞はこの日を期待しておりました」と、彼女は、胡主席との接見に感動で身をふるわせながら、やっとのことでこう挨拶の言葉を述べた。呂娟氏は200名の華人・華僑代表と共に、70万人在日同胞の同じ心の声を胡主席に伝えた。これにより海外にいる華人・華僑たちが祖国とともに呼吸し、運命を共にしていること、中日両国の国民がさらなる交流を熱望していることを、胡主席は身をもって体得されたことだろう。

  現在、『シャングリラ』の日本公演で大成功を収めたばかりの呂娟氏は、日中間を行き来し、両国のエンターテイメント芸能界の歌手たちを招き、7月26日に東京都港区にある「草月会館」において「中国四川省大地震復興支援 ― チャリティーコンサート」を協賛する。また在日華人・華僑画家を招待し、「チャリティー画展」も主催する予定。これらのチケット売上金などすべての収益金を四川省の復興に寄付する。

 そして、今年の11月には、呂娟氏は中国文化部・中国文連・在日中国大使館・日本外務省など中日関係の各部門の協力を得て、「2008年現代中国芸術週」日本開催に尽力することになっている。さらに胡主席が開いた「春を暖める旅」による調和の取れた中日関係を通じて、中国文化を日本に紹介するために一層の努力を続けていく。中日文化交流の将来に言及すると、呂娟氏は笑顔の中に目を輝かせ、次のように述べた。

 “対岸千里でありますが、運命を同じく共有します。”

(インタビュー:トウ春 )

 
 
 

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