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「円明園」は、オークションの万能看板ではない 怒るより深く考え
2009 -5 - 1 11:31

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写真説明:皇帝の印章「九洲清晏の宝」 

 今では、どんな文物や芸術品でも、「円明園」と関わると、市場の「騒ぎ」を引き起こすことができる。フランスのある小型オークションが、ずうずうしくも乾隆年間の皇帝の印章をオークション品として持ち出した後、今度はアメリカ籍の中国人が僅か1000ドルで、擬似円明園「犬頭」彫塑を手に入れたという情報を流した。「円明園」は万能看板になったようだ。ある人たちが中国人民心の中の「傷跡」を開くことで利益を得る時、私たちは怒るだけでなく、深く考えるべきである。  

 フランスのBeaussant-Lefevreオークション会社は、普通の市民はもちろん、一般の芸術品投資家も詳しく知らない。高いレベルのオークション品、フランスの将軍が円明園から奪った皇帝の印章――「九洲清晏の宝」を手に入れた後、市場の注目をどう引きつけばいいのか。「円明園」という看板を揚げるのが、一番の選択となった。これも確かに成果がある。最近の各メディアの報道では、「九洲清晏の宝」を「九洲清安の宝」と訳した。この印章の由来もさっぱり分からない。ただ、この印章は元は円明園にあり、持ち主はフランスのある侯爵、エリ?ジョー将軍の後裔であるという。この将軍は、軍人の名門に生まれ、本人は何回もフランス騎士栄誉勲章を受賞したことがある。イギリス・フランス連合軍が円明園を燃やした1860年、エリ・ジョーは当時駐大沽のフランス軍隊軍営の指揮官であった。この部隊が北京城に侵入したのである。 

 「九洲清晏の宝」印章は、18世紀清朝時期の白玉印章である。高さは9センチ、長さは10.9センチで、上には2匹に龍の図案が彫刻されている。「九洲清晏」は、円明園で九つの島の中で一番大きな島であり、当時は皇室の円明園での住所だった。皇帝印が、近年のオークション市場に登場する。特に2008年フランス・ツールーズで開かれたオークションで、康煕皇帝が使った印章は、470万ユーロという価格で、もしオークションの謝礼金も計算したら、最終成約額は560万ユーロである。この種のオークション評価額の世界記録を更新した。近年来、印章専門オークションもよくあるので、今回のこの印章が投資価値から見ると、余り注目されていない。これもオークション会社が「円明園」という看板を揚げる理由である。最終的168万ユーロで成約したが、これもオークション会社の「策略」が成功したということを証明した。 

 1000ドルの擬似円明園犬頭彫塑事件は、笑って済むことである。本物の獣頭の彫塑は、20世紀80年代の時の評価額は1500ドルに達し、今では1000ドルで本物を買える可能性は1%しかない。このような隙間だらけの情報が、国内で流れたのが、「円明園」という看板は、間違いなく重要となる原因である。  

 海外オークション会社と一部の収蔵者は、「円明園」という万能看板を揚げるということに、私たちは怒るだけでなく、深く考えるべきである。国家文物局博物館司長の宋新潮氏が関係メディアのインタビューを受けた時に、国家文物局は円明園文物をオークションするという行為に、一貫した態度で対応しており、「私たちはオークションに反対である。このような奪われた文物への不法占有行為を認めない。引き続き関係国際条約と中国法律規定により、すべての方法によって、昔、奪われたり不法輸出された文物を取り戻す」と、宋氏は言っている。メディアのこの種の事件に対する注目は適当にすべきで、注目し過ぎると、円明園文物価格が不合理に上がってしまう。私たちは海外に流失している円明園文物に対して、特にオークション市場でオークションされた文物に、注目する以外、大騒ぎをせず、国家・政府に任せ、文物を取り戻すべきである。

(編集 王ロヨウ)

 
 
 

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