7月18日から中国を訪問しているベトナムのチャン・ドゥック・ルオン・ベトナム国家主席は胡錦濤?国家主席など中国要人と相次いで会談。今後の協力関係の強化を目指す中越共同声明が21日に発表された。中越両国を結ぶ「経済回廊」の早期完成や漁業?エネルギー分野で協力を謳う経済協力体制の構築を強調する声明となった。21日付で新華網が伝えた。
声明では「長期的な安定、未来志向、親善友好、協力強化」をモットーに、中越両国の関係が発展していることを歓迎。両国は今後、信頼関係の深化や相互往来の拡大を進めていくとした。
特に顕著なのは実利性が顕著である点だ。まず、貿易不均衡の状況を改善しながら、貿易の規模を拡大していくことが強調されている。そのために、中国雲南省・昆明(こんめい)とタイの首都バンコクを結ぶ幹線ルート「南北回廊」やタイ、ラオス、ミャンマーを結ぶ「東西回廊」の建設を早期に完成させることが確認された。
また、密貿易取締りなどのために、遅くとも2008年までに両国の境界線全線に指標を設置することが確認された。
長年両国の紛争の火種となってきたトンキン湾(中国名:北部湾)をめぐり、昨年締結された「領海確定協定」と「漁業協力協定」を積極的に評価して、共同で海上警備を行ったり、不正な漁船の取り締まりに当たったりすることが声明では記されている。2005年末までに、共同で漁業資源の調査も行うことも明記された。トンキン湾以外の海域の領海も早期に確定させる。
さらに、中国、ベトナム、フィリピンの3つの石油会社で2005年3月に領土紛争が起きている南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島とその周辺海域で共同で資源調査を行うことで合意したが、できるだけ早く海上での作業を開始して、具体的な成果を収めることが声明に盛り込まれた。
先日も中国とベトナムを含むメコン川流域の東南アジア諸国の首脳会合が開かれるなど、中国と東南アジア諸国は経済的な結びつきを急速に強めており、今回の声明でもそうした傾向が確認できる。
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