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中国人老板の喜怒哀楽(5)=写真
2008 -12 - 23 18:02

 話は前後するが私は蘇州の貧しい家で育った。幼少のころの小さな喜び、それは週に一度家族で食べるワンタンだった。わずか0.07元のアツアツのワンタンこそが私にとって最高のごちそうであり、元気の源だった。老板となった今も、このワンタンの味を忘れた事は一度もない。

  このわずかなお金がもたらしてくれる幸せが私の商売の原点と言っても過言ではないのである。1元の利益をもたらせてくれるお客さまにはいつも感謝の気持ちで接することが重要だ。店に設置した収銀台には「永不放棄」「慈悲喜捨」という私の座右の銘を掲げ、辛いときや悲しい時に自分を慰め、自らを励ましていることも忘れない。そして思い出すのは貧しかった子供の頃のことと、あの美味しかったワンタンの味だ。

 中国が改革・開放政策を開始したのは1978年12月のこと。77年生まれの私の成長とほぼ重なるこの30年間に、中国は急激に豊かになった。上海ではもう0.07元では何も買えなくなったし、一杯のワンタンに幸せを感じる子供もいなくなった。それもそのはず。中国はすでに国内総生産(GDP)では米国、日本に次ぐ世界No.3の超大国になったのだから。これはこれで中国人としては大変誇りであるし、もっともっと豊かになりたいと願う気持ちに偽りはない。しかし私は決して忘れてはならないのは、感謝の気持ちではないだろうかと思う。

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 そんなある日、中国全体を震撼させる出来事が発生した。5月12日の四川省大地震だ。私はこの地震を知り即座に1,000元を寄付した。さらに包貝貝として何か力になれることはないか考えた。そして選んだ結論は売上高のすべてを義捐金として寄付することだった。

 5月15日から23日までの9日間に売り上げた14名分953元すべてを各々のお客さまの名義で赤十字に寄付をした。決して私一人の力ではないが、この期間にカバンを買って頂いた方々のおかげで、微力ながら支援が出来たことに満足している。そしてこれらのわずかな義捐金が一人でも多くの同胞たちの復興に役立てれば本当にうれしいことである。 

(蘇文)

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