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中ロによる世界の重大な安全問題についての「共同発声」
2014年 5月 21日17:06 / 提供:新華網日本語

 5月の申城(上海の別称)は、小雨が春の涼しさをしみとおらせ、夏の熱エネルギーがゆっくりと下準備をしつつある。 20日、習近平国家主席は上海でロシアのプーチン大統領と会談を行い、また『中ロの全面的・戦略的協力パートナーシップの新たな段階に関する共同声明』を発表した。これまでの他の共同声明と比べ、この文書はまるまる三分の二の紙面を用いて世界の重大な安全問題に対する両国の原則的な立場を詳しく述べている。咲き乱れる花が錦のように美しく、活力に満ちあふれている。太平洋西岸の「東方明珠」では、中ロ両国の元首が世界の安全の新秩序を作り上げるため、共に威勢いよく力強い声を放った。

 実務的協力を再び「アップグレード」させ

 中ロの全面的?戦略的協力パートナーシップの構築は、伝統的な歴史の源があるうえでなお、現実的な差し迫った需要もある。中ロは友好的な隣人であり、世界の舞台での重要なパワーでもある。双方は全方位、多レベルな実務的協力を発展させており、両国の安定的繁栄の推進、国際の公平正義の促進、世界平和の発展の維持に対する意義は重大だ。華東師範大学ロシア研究センターの楊成副主任はこのように指摘する。習主席は、両国の協力は既存の成果に満足することはできないと強調した。中ロは互いに唯一の全面的?戦略的協力パートナーとなり、両国関係の高い水準は政治、経済と貿易、エネルギー、ハイテク、航空?宇宙などの協力分野で十分に体現することができる。これだけでなく、双方はまたこの関係をより高いレベルにまで推進してゆく決心もしている。楊成副主任はこのように指摘した。中ロの全面的エネルギーパートナーシップの概念が初めて提起され、「これは両国の絶えまなく追求している全面的エネルギー協力と一致した」。中ロが戦略的協力パートナーシップを着実に推進する枠組みの中で、全面的エネルギー協力は両国関係の実務、互恵や優勢を補い合う特徴をはっきりと示している。

 重大な立場が再度「一致に達し」

 中ロの共同声明は、他国への内政干渉、一方的な制裁の放棄、および他国の憲法制度改正への支援あるいは他国を吸収しある多国間グループか同盟に加入させる行為への反対を明確に指摘している。声明は、すべての形式のテロリズムに打撃を加えることを含んだ、国際協力推進の方面における国連の中心的役割を強化するべきだと強調している。地域の衝突は絶え間なく起こり、伝統と非伝統的な安全問題が日益しに際立っている。当面、朝鮮の核問題、イランの核問題、アフガニスタン情勢、中東問題、ウクライナ問題やシリア問題が国際社会の神経に影響を及ぼし、一部の域外の大国はその中で消極的な役割を発揮している。中ロ両国は国際の正常な秩序維持についてバランサーやスタビライザーとしての役割を発揮してゆく必要がある。楊成副主任は、中ロ両国は世界の安全問題解消への道の追求に力を尽くし、地域の特性に一層近づき、所在国の独立と主権の尊重を基礎として、客観的且つ公正に相違と矛盾を解決することを強調すると指摘している。

 多国間協力の再形成

 中ロ両国が共同声明で、「ネットワーク型パートナーシップ外交に向けた各種努力の展開を支援する」ことを初めて提起したことが注目される。共同声明は、ネットワーク型パートナーシップ外交の目的は、国際事務において、パートナー協力を形成するフレキシブルなメカニズムを構築することにある、と明記している。

 中国社会科学院上海協力機構研究センターの孫壮志秘書長は、この斬新な表現は、中ロの多国間外交の開放性を体現し、さまざまな組織とメカニズムとの間の相互協力を促進し、良性の双方向的な取り組みを形成するためにプラスになる、という見解を示した。楊成氏は次のように指摘した。ネットワーク型パートナーシップ外交の推進は、中ロ両国のグローバル及び地域ガバナンスにおいて、団結と対話をより重視することを表している。両国は、多国間組織に積極的に参加することで、より信頼性の高いメカニズムのサポートを得ることができる。中ロ両国は繁雑で複雑な国際・地域情勢と向き合うために、両国が開放と協力を全力で促進する必要があることを明確に意識している。これは中ロ戦略的パートナーシップが第三国を決して標的にしていないことを1つの側面から立証している。

 共同声明はまた、次のように明記している。双方はCICAの枠組みのもとで協力を深化させ、CICAの枠組みに沿った立場で緊密に協調することを希望している。両国はG20、BRICS、上海協力機構(SCO)、中ロ印3カ国などのメカニズムのフレキシブル性と高い効果をポジティブに評価している。また、ロシア側は中国側が提案した「シルクロード経済ベルト」建設プランの重要性を認めている。

 李中海氏は次のように述べた。中ロ双方はシルクロード経済ベルトとロシアの欧州・アジア鉄道の建設とリンクさせ、両国の経済貿易取引と近隣地域の開拓・開放を牽引し、欧州・アジアの大型ルートと大規模な市場を共有する必要があると明確に示し、また、地域の発展という大局において、戦略的な共通認識を得たと双方が表明した。これは「シルクロード経済ベルト」の長期的な発展にとって極めて重要である。

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