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李克強総理、改革、開放と協力の中で世界経済を再形成しよう
2014年 1月 26日10:16 / 提供:新華網日本語

 【新華社北京1月26日】新年の新たな起点は、新たな希望を孕んでいる。世界経済を観察する風向計と「ブレインストーミング」の重要なプラットホームである世界経済フォーラムは、世界経済に新たな積極的兆しが現れているが、多くの不確実要因をも抱えている情勢の下で、当然広く衆知を集め、自信を伝え、良策を示すことができるでしょう。

 最大の発展途上国およびG20、APECなど一連の多国間経済メカニズムのメンバーである中国経済の現状と動向は世界経済に重要な影響を及ぼします。目下、中国経済は安定しつつ好転し、前進し、質を高めています。2013年の中国のGDP成長率は7 7%で、世界的に見れば、引き続き中くらいの高い成長を維持しています。消費者物価の上昇は2 6%に抑えられており、年間の都市 町の新規雇用者数は1300万を超えて、この数年で最も多くなり、都市 町住民の一人当たり可処分所得と農民の一人当たり純収入は実質でそれぞれ7%と9 3%伸びました。経済全体は速い成長、安定した物価、雇用の拡大、所得の増加という好調ぶりを示しています。中国と世界経済の結びつきは一層緊密になり、協力は一段と拡大しました。昨年、中国の輸出入額、外資利用は共にかなりの伸びを達成し、うち輸入総額は2兆 に近づきました。中国企業の対外直接投資も900億 を超えました。世界的金融危機の余波が収まらず、世界経済の回復がなお待たれ、中国が経済構造の転換 高度化を進めている中で、このような「成績表」を得るのは容易でなく、中国経済の粘りと活力が再度検証されました。

 数値よりもっと重要なのは、昨年、世界経済が振るわず、国内経済の下振れ圧力が強まり、さらには国際的に中国経済の「ハードランディング」の見方もある状況で、私たちが短期的刺激政策をとらず、赤字も増やさければ金融緩和もせず、積極的に努力して、「活力増強、予想安定、転換促進」を軸に、マクロ政策 コントロール方法を革新し、挑戦〈試練〉に対応したことであります。

 第一に改革 開放から手を付け、政府と市場の関係をうまく処理することに着目して、行政の簡素化 権限の委譲を強力に推進し、改革のボーナスを生み出しました。各級政府の審査 認可事項の大幅削減、貸出金利市場化などの金融改革、中国(上海)自由貿易試験区の設立、ネガティブリストによる管理方式の模索、市場参入条件の緩和などの措置を通して、市場の活力と経済発展の内的原動力をほとばしらせ、民間の投資意欲を引き出しました。年間に新たに登記された私営企業は前年比30%増の233万に達しました。

 第二に経済運営の合理的ゾーンを明確にして、経済成長を7 5%前後にする、都市 町の新規雇用900万人超を下限とする、物価上昇の3 5%程度以下を上限とする―ことを打ち出しました。そして経済が合理的ゾーンにある限り、マクロ政策の安定を維持し、主に構造改革により、市場の力によって成長を安定させ、発展を促すようにしました。これで市場は自信を取り戻し、一般の予想〈将来予測〉は安定しました。下半期に入って、中国のPMI指数は50%の分岐点以上で着実に上昇しました。

 第三に構造調整に重点的に力を入れました。市場の潜在力は大きいのに、発展が相対的に遅れている「短板」〈注〉問題に取り組み、サービス業の発展を重点的に加速し、情報、金融、老後、健康サービス業などの発展をはかる政策措置を立て続けに打ち出しました。同時に、省エネ 環境保護などの新興産業の発展を重点的に促しました。私たちは構造調整による内需けん引と供給改善という姿勢を堅持し、開放の拡大過程での内需拡大という姿勢を堅持し、内需の主要な原動力としての作用を引き続き発揮させました。これらの措置は現在を利するが、それ以上に長期のためになるものです。昨年、中国のGDPに占めるサービス業の割合は46 1%に達し、初めて第二次産業を超えました。単位GDP当たりのエネルギー消費は前年より3 7%低下しました。

 注:桶は細長い板を縦に円形に並べて底をつけ、たがで締めた筒形の容器だが、この板に長い短いの違いがある場合、その桶に入れる水の量は短い板に制約されるという考え。

 中国のマクロコントロールの理念と方法の革新およびその中で得られた新しい経験は、中国経済が今後さらには当分の間、引き続き好成績を収めるのに役立ちます。しかも、世界経済の不確実要因が多く、国際市場が主要経済体〈エコノミー〉のマクロ政策の動向に非常に敏感になっている状況下で、中国が財政、金融政策を安定させ、合理的な流動性を維持することは、国際市場に予想を安定させる明確なシグナルを発しました。これは中国の世界経済の発展に責任を負う行動でもあります。

 今年、中国の経済政策の基調は穏中求進〈安定させつつ前進をはかる意〉、改革革新ですが、私は、これは国際社会の世界経済再形成の期待と一致していると考えます。私たちは中国共産党第18期中央委員会第3回総会(18期3中総)の手はずに従って、改革を全面的に深め、開放を一段と拡大し、マクロ政策の連続性と安定性を維持し、内需を積極的に拡大し、経済の安定成長を促すようにします。そして構造調整を推し進める中で質的構造、効果増大、高度化を一層重視し、都市 農村間、地域間の2大格差の縮小を一層重視し、雇用拡大と貧困対策の一層強力な措置を講じて、社会の公正を促進し、発展の成果がすべての人民に及ぶようにします。中国経済の持続的で健全な発展は、世界の発展に新たなチャンスをもたらし、新たな原動力を添えるでしょう。

 2008年の世界的金融危機のぼっ発およびここ数年、世界経済の苦境からの回復が難しい状況は、世界経済の体制と構造の調整 改善に対して多くの新たな課題を提起しています。目下、少なからぬ経済体の回復が一層はっきりしていますが、変数はなおも存在し、なお多くの不確実要因があり、掘り下げた調整と変革が必要になっています。今フォーラムの年次総会が「世界の再形成」をテーマに討論を繰り広げているのは、時宜に適っているといえます。

 世界経済の再形成で重要なのは、開放 協力と互恵 ウィンウィンに基づくグローバルな経済 貿易体制を構築し、整備することです。国際社会はつねに、多様、開放、包容、互恵の方向に沿って、第二次大戦後に形成された国際政治秩序と世界の平和的環境を引き続き守り、あくまでもWTOを中心とする多国間貿易の枠組みの積極的作用をうまく発揮させ、さまざまな形の地域貿易取り決めを模索し、貿易 投資の保護主義に断固反対すべきです。私たちは、発展水準と段階の異なる経済体が、同舟相救う精神を発揚し、ゼロサムゲームのやり方を捨て、手を携えて共通の試練に対応するよう主張しています。とりわけ先進経済体と新興経済体がそれぞれの強みを生かし、世界の経済成長を促進する「ダブル原動力」と相互補完 相互利益 互恵のよい局面を作り上げ、協力とウィンウィンに基づく経済グローバル化の新たな枠組みを築き上げるようにしなければなりません。

 目下、国際情勢は全体として安定しており、世界の平和と発展は新たなチャンスを迎えるとともに、多くのチャレンジ〈課題〉にも直面しています。中国は責任ある大国として、つねに変わらず平和的発展の道を歩み、人類の共通利益増進のためにもっと多くの努力を払い、世界の平和と発展という崇高な事業を促進するため建設的な役割を果たすでしょう。

 近代化の目標に向かって揺るぎなく奮進する中国は、引き続き世界の各国との協力を強め、世界経済が一日も早く世界的金融危機の影から抜け出し、力強く、持続可能で均衡のとれた成長をとげる広々とした道へ踏み出すようにすることを願っています。世界経済フォーラムの年次総会は冬に開かれますが、それは春がすでに遠くないことも示しています。

 

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