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日本華人教授会議、新体制が発足
2014年 12月 22日16:37 / 提供:

日本華人教授会議

 日本華人教授会議は新体制が発足した。先月1日に東京大学で開催された会員総会および年次国際シンポジウムの場で愛知大学李春利教授が3代目の代表に選出された。それを受けて、先月30日に東京神田にある華人教授会議事務所で開催された第6期幹事会第1回会議で新しい組織体制と人事が決定された。これにより今月から華人教授会議は新しい体制が発足することになった。

6期幹事会メンバーはいずれも無記名投票で選出されている。去る10月に行われた幹事会選挙は、20031月に華人教授会議が創立後、通算で6回目となる。

 

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日本華人教授会議幹事会拡大会議の集合写真(「全家福」)、20141130日華人教授会議事務所にて

(前列·左から:王維、魏大名、馬成三、凌星光、李春利、杜進、程子学、朱建榮

後列·左から:金群、劉廸、廖赤陽、郝仁平、関志雄、宋立水、朱炎、邢志強、

熊達雲、陳昱、李恩民)

新しい組織アーキテクチャが導入

新体制の発足にあたり、李春利代表より、華人教授会議の新しい組織アーキテクチャ(中国語:組織架構)と主査·副査制度の導入について提案され、全員一致で承認された。具体的には、次の3点について組織の改編が行われた(下図参照)。

(1)  華人教授会議の組織機能をベースにして従来の諸委員会を主に会務委員会と(対外)学術交流委員会に分けて再編される。

(2)  華人教授会議の執行部交代の制度化を図り、各種交流事業の継続性と日常業務のルーティン化を実現するために、代表·副代表、事務局長の経験者および学術顧問をメンバーとする諮問委員会を新設し、前代表が主査に、前事務局長が副査になる。

(3)  会務委員会は諮問委員会、総務委員会、広報委員会の3委員会からなる。学術交流委員会は政治経済委員会、科学技術委員会、中日関係委員会、社会福祉委員会の4委員会からなる。

 

 

新しい人事が承認される

 このような新しい組織アーキテクチャが承認されたのを受け、華人教授会議の会則に則り、李春利代表より華人教授会議副代表、事務局長·次長、および各委員会の主査·副査の人事案が提案され、全会一致で承認された。

(1)  副代表 (代表推薦、幹事会承認)

社会科学分野1名 廖赤陽 東京統括

科学技術分野1名 程子学 地方統括

(2)  事務局長   宋立水

事務局次長  郝仁平

(3)  会務委員会および学術交流委員会の主査と副査については、次の表に示されたとおりである。

 

日本華人教授会議·組織体制

 

【代表·副代表·事務局長·次長】

代 表

李春利

愛知大学教授

副代表 

廖赤陽

武蔵野美術大学教授、社会科学担当·東京統括

副代表 

程子学

会津大学副理事長兼副学長、科学技術担当·地方統括

事務局長

宋立水

明治学院大学教授

事務局次長 

郝仁平

東洋大学教授

 

【各委員会主査·副査】 【会務委員会】

諮問委員会

主査

杜進

拓殖大学教授

副査

朱炎

拓殖大学教授

総務委員会

主査

熊達雲

山梨学院大学教授

副査

魏大名

会津大学名誉教授

副査

唐亜明

福音館書店編集者、兼会誌編集長

広報委員会

主査 

金群

早稲田大学教授

副査

段躍中

日本僑報社編集長

 

【学術交流委員会】

政治経済委員会

主査

朱建栄

東洋学園大学教授

副査

厳善平

同志社大学教授·中国経済経営学会会長

科学技術委員会

主査 

程子学

兼務

副査

巨東英

埼玉工業大学副学長·教授

中日関係委員会

主査

趙軍

千葉商科大学教授

副査

劉傑

早稲田大学教授

社会福祉委員会

主査

宋立水

副査

日本女子大学教授

 

李春利代表特別インタビュー:日本華人教授会議の今後の抱負について


李春利代表

日本華人教授会議の新体制の発足にあたり、東方ネット日本語版編集部は、新しい代表に選出された李春利氏(愛知大学経済学部教授、東京大学経済学博士)に、今後の抱負などについて特別にインタビューした。

日本華人教授会議(The Society of Chinese Professors in Japan, SCPJ)は、学術研究水準の向上と学際的交流の拡大、日本における華僑·華人の社会的地位の向上、中国の社会経済と科学技術の発展への貢献、中日間の相互理解と信頼関係の促進、世界各国との対話と交流などを目的として20031月に発足(事務所:東京·神田)。

現在、華人教授会議は約100人の会員を擁し、日本全国の約60の有名大学の正教授以上の学者、もしくは各分野の専門家から構成されている。これまで多数の国際的な大賞や学術賞の受賞者を輩出してきたほか、会員の中から日本の大学史上初の中国出身の副理事長や副学長が2名選出されるなど、頭脳集団として日本内外で広く注目されている(公式サイト:http://scpj.jp/)。

李春利代表は次のように語っている。

「華人教授会議が2003126日に創立されて以来、まもなく12年を迎えます。古来の干支の数え方で行くと、中国語では“一輪”になります。おかげさまで団体運営の主体である幹事会にずっとおりましたので、華人教授会議には愛着があります。

これからは会員および支援者の皆様の力強いご支援をいただきながら、とくに3つのことを目指して努力していきたいと思います。」

李代表は3つの目標について、次のように語った。

1)「サステナブルな教授会議」、すなわち、持続可能な体制づくりを進めていくこと。

21世紀はサステナビリティ、つまり「持続可能性」が社会共通の価値観になりつつあります。華人教授会議もそれを目指して、これまでの歩みを振り返りながら、改善すべきは改善し、発展すべきは発展させていく必要があると思います。創立からまもなく12周年になりますので、仲間たちと一緒に自己点検を行いながら、持続的な発展が可能になる体制と組織能力を構築していきたいと思います。

2)「和を貴ぶ教授会議」、つまり、会員の親睦活動をさらに強化し、交流の機会をもっと増やしていくこと。

華人教授会議はせっかく日本で設立されたので、聖徳太子以来の「和を貴ぶ」という日本社会の伝統的な精神をこれまで以上に重んじていきたいと思います。また、中国の古典にも「和為貴」(和を以て貴きと為す)という古来の価値観があるので、中日両国の間には相通じる理念があると思います。今後はさらに会員のニーズを把握し、例えば、専門分野を超えた学際的な交流や、またしばし仕事を離れて親睦を深める機会を増やしていくなど、会員サービスの充実化を図っていきたいと思います。

 3)「行動する教授会議」、われわれの団体には最大公約数があるとすれば、おそらく「行動派」の集まりなのではないかと思います。

このすばらしい伝統をぜひ継承していきたいと思います。大学教授といえば、すぐに「象牙の塔」というイメージが浮かびますが、私からみれば、華人教授会議のメンバーはむしろ「行動する頭脳集団」という色彩が濃厚です。その存在感はこれまでも日本内外で広く注目されてきました。

 今後は、各会員がそれぞれの職場や学界で活躍しているエネルギーとパワーをなにかの形で結集し、中日両国の社会や学術界に貢献できれば最高です。ただ学際といっても今は細分化されている自然科学や社会科学、人文科学の間の壁が高く、一朝一夕で乗り越えられるものではありません。これからは関連分野の専門家の知恵を拝借し、地道に地歩を固めていきたいと思います。

これからはみんなで力を合わせて華人教授会議を盛り上げていきたいと思いますので、引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

創立12周年を記念して、華人教授会議はさっそく来年2月の春節前に「華人教授会議創立12周年記念·富士山温泉合宿大会」を企画し、会員同士の交流と親睦を深めようとしている。

(編集:章坤良)

 *      *      *

李 春利氏[略歴]

日本華人教授会議代表(201411月~)、愛知大学経済学部教授。

中国浙江大学講座教授、南開大学特任教授を兼任。愛知大学-中国人民大学-南開大学博士二重学位プログラム指導教授。愛知大学国際中国学研究センター中国事業責任者、人間文化研究機構現代中国地域研究·愛知大学拠点副代表。専門は中国経済論、エネルギー·環境経済論、交通経済論。

中国社会科学院大学院、京都大学を経て、1996年東京大学より経済学博士号を取得。米国ハーバード大学客員研究員、マサチューセッツ工科大学(MIT)国際自動車研究プログラム(IMVP)兼任研究員、東京大学ものづくり経営研究センター特任研究員を歴任。

著書に『インドvs.中国 二大新興国の実力比較』『中国多国籍企業の海外経営』『国際金融危機後の中国経済』『中国製造業のアーキテクチャ分析』など約30冊。論文多数。著書·論文は日本語、英語、中国語で発表されるほか、ドイツ語、フランス語にも翻訳される。


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