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岩井俊二監督「心も50歳なら、青春映画は作れない」
2014年 6月 20日17:21 / 提供:人民網日本語版

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 上海で開催中の第17回上海国際映画祭で、最優秀作品賞「金爵奨」を競い合うコンペティション部門の審査委員長を務める岩井俊二監督(51)は、「今でも、17、8歳の時の感覚を思い出す。永遠に『若い監督』の状態を保ちたい。もし、心も50歳であれば、青春映画を作ることはできない」と語った。青年報が報じた。

 32歳だった時に旗を振った「Love Letter」(1995年)のヒロイン藤井樹が「今、50歳だったら?」という質問に、岩井監督は少し考え込んでから、トレードマークの長い髪を触りながら、「藤井樹は母親になっているだろう……。藤井樹を演じた女優の中山美穂に会っても、20年前と何も変わっていないと感じる。同作品で、老人の役を演じた役者は当時既に50歳だった。つまり、私ももう老人ということ。45歳の時から、年を取ったと感じるようになった」と静かに語った。純愛映画を得意とする岩井監督も、今では中年男性となり、長い髪には白髪が交じるようになっている。それでも、「年を取らないようにすればいい。もちろん、本当の意味でそうすることは不可能だが、心が老けるのは止められる。私の精神年齢は28-33歳くらいで止まっていると思う」と笑顔で語った。

 「Love Letter」は当時、世界中で話題を呼び、多くの人の涙を誘った。

 「『初心』というと、18歳の時の『映画を撮りたい』という強い願いを思い出す。今でも、あの時の自分のことがよく分からないが、1人の女性にほれ込んだような思いになった。だから、今でも、17、8歳の時の感覚を思い出す。永遠に『若い監督』の状態を保ちたい」と、岩井監督はゆっくりと言葉を選びながら語った。

 「心が老けることがないように」努力する岩井監督。自身が語る「精神年齢28-33歳」はちょうど 「Love Letter」の旗を振った年齢だ。「もし、心も50歳であれば、青春映画を作ることはできない。最近、日本の高齢の役者に会った。彼は、私が子供のころに青春映画に出演し、とても有名だった。その彼が、『今、若い時より力があり、活発になっている』と言っていた。その様子にはとても驚いた」と岩井監督。

 上海国際映画祭で、岩井監督はすでに映画2作品を鑑賞したという。映画監督の道で成功した岩井監督は、自身の経験について、「私達一人ひとり、各個人は、この世界で自分の仕事を選ばなければならない。もし、映画監督を職業にするなら、それを長く続けるのは至難の業だろう。映画製作をしたいなら、それに徹底的に打ち込まなければならない。そうして初めて、自分が作ったものを他の人に提供し、見る人に自分が努力したことを感じてもらえる」と述べた。

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