２０１４年４月１３日、中華圏最大級の映画祭、第３３香港電影金像奨の授賞式が行われ、チャン・ツィイー（章子怡）が主演女優賞に輝いた。

　３３回目を迎えた「香港版アカデミー賞」こと香港電影金像奨で、今年の注目作品だったのがウォン・カーウァイ（王家衛）監督の「グランド・マスター」。今回最多の計１４部門にノミネートされていた。１３日、香港で授賞式が行われ、「グランド・マスター」のチャン・ツィイーが主演女優賞を獲得。同作品は１２部門を制し、史上最多の受賞数となった。

　「グランド・マスター」では、カンフーの一派・八卦掌の継承者の娘、宮二（ゴンアル）を演じた。ツィイーはこの役で、“台湾のアカデミー賞”こと第５０回金馬奨、第７回アジア太平洋スクリーン・アワード（Ａｓｉａ Ｐａｃｉｆｉｃ Ｓｃｒｅｅｎ Ａｗａｒｄ/ＡＰＳＡ）などにおいて、主演女優賞を８回受賞。この金像奨が９回目の受賞となり、文字通り「グランド・マスター」は彼女の代表作の一つに加えられることになった。

　「グランド・マスター」は撮影期間だけで４年間を要している。受賞を決めたツィイーによると、監督から直々のオファーを受けたのは２００９年のこと。「とてもうれしかった。『ウォン・カーウァイ作品は必ず受賞を望める』という理由ではなく、監督の映画で今の自分の最もいいところを見せられると思ったから」とコメントしている。役作りでカンフーの技や所作を学び、非常に過酷な撮影期間だったが、「自分自身が宮二そのものだった」と語っている。