これまで、韓国ドラマと言えば、ガンや交通事故、難病などがお決まりだったが、今では、脚の長いイケメン俳優やセクシーな女優、豪華衣装などが新たな売りとなり、再び中国ドラマファンの心を捉えている。画面を彩る美しい女優や衣装がドラマをヒットさせる大きな要素となっているが、舞台裏の脚本家たちの力も大きく関係している。現在、韓国ドラマの脚本家の9割は主婦の女性たちという。韓流を支える韓国の著名脚本家に迫ってみた。揚子晩報が報じた。 　

　■大ヒットを連発させる転職組 　パクチウンとイ・ウジョン 　

　○パク・チウン 　

　代表作：「僕の妻はスーパーウーマン」「星から来たあなた」 　

　中国で大ブームを巻き起こした韓国ドラマ「星から来たあなた」の大ヒットに大きく貢献しているのが脚本家のパク・チウンだ。パク・チウンは、家族をテーマにしたドラマ脚本を得意としており、「逆転の女王」や「僕の妻はスーパーウーマン」なども高視聴率を記録するヒットドラマとなった。パク・チウンは元々、囲碁のプロ棋士で、後になって脚本家に転向した。 　

　○イ・ウジョン 　

　代表作：「応答せよ1994」「応答せよ1997」 　

　昨年放送された「応答せよ1994」の脚本家を務めたのがイ・ウジョンだ。バスケ大祭典や米国ワールドカップなどの要素を取り入れ、アマチュアバスケットボールの人気が絶頂だった1994年を背景にしているため、多くの人を懐かしい思いにさせた。イ・ウジョンは元々、バラエティ番組の製作に携わり、後になって脚本家に転向した。現在、イ・ウジョンはバラエティ番組製作にも復帰しており、「花よりおじいさん」、「花よりお姉さん」などの製作に携わっている。 　

　■エリート脚本家 　キム・ウンスクとソン・ジェジョン 　

　○キム・ウンスク 　

　代表作：「相続者たち」、「紳士の品格」、「シークレットガーデン」、「パリの恋人」 　

　エリート脚本家の一人キム・ウンスクは元々、韓国では有名な作家。その他代表作にも、「相続者たち」、「パリの恋人」、「プラハの恋人」、「オンエアー」、「シークレットガーデン」、「紳士の品格」など、人気作品が並び、いずれの作品にも熱烈なファンがついている。ソウル芸術大学の文芸創作科を卒業したキム・ウンスクは、生活苦のため、2003年からテレビドラマの脚本を手掛け始めた。キム・ウンスクは、中年の人気俳優が登場するドラマを得意としてきた。例えば、「紳士の品格」では、チャン・ドンゴンなどの中年イケメン俳優らが起用された。しかし、若者の思考が分からないわけでは決してなく、最近では、足が長いイケメンのイ・ミンホが中国でブレークするきっかけとなった「王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ−相続者たち」を手がけた。 　

　○ソン・ジェジョン 　

　代表作：「イニョン王妃の男」、「順風産婦人科」 　

　ドラマ「イニョン王妃の男」などで知られるソン・ジェジョンは、傑作ドラマを連発しているため、ネットユーザーからは、「業界の良心」と評されている。「イニョン王妃の男」や「ナイン-9回の時間旅行」は、いずれもタイムスリップドラマで、情理にかなったストーリーだった。「イニョン王妃の男」で主演を務めた俳優チ・ヒョヌと女優ユ・インナは、共演がきっかけで交際に発展した。ソン・ジェジョンは、ソウルの梨花女子大学ニュース放送学部で学士を、延世大学校マスコミ所で修士をそれぞれ取得している。 　　

　■ヒットドラマを連発する姉妹のコラボ 　

　○ホン姉妹　（ホン・ミラン、ホン・ジョンウン） 　

　代表作：「主君の太陽」、「僕の彼女は九尾狐」、「美男＜イケメン＞ですね-Fabulous☆Boys」 　

　韓国には2組の有名な姉妹脚本家「ホン姉妹」がいる。うちトップの人気を誇るホン?ミランとホン・ジョンウンの最近の作品で有名なのはイケメン俳優ソ・ジソブが主演した「主君の太陽」。そのほか、「僕の彼女は九尾狐」、「美男＜イケメン＞ですね-Fabulous☆Boys」、「ファンタスティックカップル」、「マイガール」、「快傑春香」などコメディタッチのラブストーリーが多く、笑いあり涙ありのストーリーとなっている。これは、2人のうち一人が煽情的な作風で、もう一人がコメディを得意としていることと関係がある。 　

　○ホン姉妹（ホン・ジャラム、ホン・ジア) 　

　代表作：「ベートーベン・ウィルス‐愛と情熱のシンフォニー‐」 　

　一方、ホン・ジャラムとホン?ジアの作品は、ヒューマニズムの色彩を帯びたものが多い。イケメン俳優チャン・グンソクらが主演を務めた愛と感動の音楽ドラマ「ベートーベン・ウィルス」で高視聴率を記録したことで、青春群像劇の人気ドラマ作家の仲間入りをし、お茶の間に広く知られることになった。 　

　大物俳優に並ぶ収入を得る韓国の脚本家 　

　「星から来たあなた」の脚本を手掛けたパク?チウンは以前、取材に対して、韓国の脚本家の90%以上が主婦の女性である理由に関して、「まず、韓国の主婦は、家事や子供の世話をしなければならないが、シナリオを書く時間もたくさんあり、失敗しても、何も怖くない。次に、現在の韓国女性は知識が豊富で、多くの女性が感情的に繊細。そのような女性は大作を仕上げる能力を備えている」と説明した。韓国では、脚本家の収入は、大女優らに引けを取らない。