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珠算、和食、キムチ 無形文化遺産登録が濃厚
2013年 10月 26日15:50 / 提供:人民網日本語版

 第8回無形文化遺産委員会が今年12月、アゼルバイジャンの首都バクーで開催され、ユネスコ無形文化遺産のリストを発表する。メディアが事前に入手した情報によると、今年提案された31件の無形文化遺産のうち、23件が「記載勧告」に、7件が「不記載」、1件が「情報照会」となった。日韓の関連部門は、日本の「和食」と韓国の「キムチとキムジャン(越冬用キムチの漬け込み)文化」が「記載勧告」とされたことを発表した。これまで「記載勧告」とされた項目の登録が委員会によって否定されたことはなく、和食とキムチの登録がほぼ確実となった。その他にも、中国の「珠算」が「記載勧告」とされた。杭州日報が伝えた。  

 ◆日本の和食、自然の美を体現  

 和食は日本料理のことで、米や麺を中心とし、新鮮な魚介類や日本酒をセットにすることが多い。  

 日本が和食を推薦したことには、次の三つの理由がある。(1)食材が新鮮?豊富で、自然環境から得られる。(2)盛り付けが自然の美を体現しており、特色がある。(3)日本人の自然を尊重する精神を示しており、毎年実施される儀式?風俗(正月、田植え、収穫などの伝統的な活動)と密接に関連している。

日本政府は近年、全力を尽くし本国の料理を世界に紹介しており、人気料理番組「料理の鉄人(アイアンシェフ)」を海外で放送している。

 福島原発事故の影響を受け、日本政府は和食の無形文化遺産申請により、食料安全の懸念を払拭し、国際的なイメージを再構築しようとしている。

 現在までに無形文化遺産に登録されている食べ物には、フランスの美食術、スペイン・イタリアの地中海料理、メキシコ料理、トルコの麦かゆ食がある。

 ◆中国の珠算、抽象的な数を直観的に

 珠算は程大位(1533―1606)抜きでは語れない。程大位は中国古代の有名な珠算家で、40年間の研究により「算法統宗」を著し、珠算の普及を促し、中国の珠算を世界に普及させた。日本は程大位を記念するため、毎年の8月8日をそろばんの日としている。

 情報化時代の今、そろばんという古い計算道具は人々の前から姿を消そうとしている。しかし英インデペンデント紙は、「そろばんによる足し算の速度は、現在も電卓を上回る」と指摘した。同紙はかつて世界を変えた101の小発明を選出したことがあるが、そのうち中国のそろばんが首位を獲得した。

 珠算の意義は、単純な「速度」だけではない。珠算は視覚・聴覚・触覚など、多くの感覚器官の参与により、抽象的な数字を直観的な「珠の並び」に変えることができる。

 

 ◆無形文化遺産登録の条件とは?  

 無形文化遺産の審査は、1998年のユネスコ執行委員会で議決された。これには主に口頭伝承と無形の文化が含まれ、申請は次の三つの条件を満たす必要がある。(1)歴史?文化?科学的価値を持つ。(2)絶滅の危機に瀕している。(3)保護計画が制定されている。  

 現在298件の世界無形文化遺産のうち、中国が37件で最多となっている。  

 無形文化遺産は民族の身分を示す象徴であり、人々に喜びと楽しみをもたらす壮大な絵画でもある。無形文化遺産への登録は、その優秀な資源が国際的基準に基づき永久に保護されることを意味する。また知名度を大幅に高め、経済的収入を創造し、関連産業の発展を促すことも可能だ。  

 当然ながら、無形文化遺産に登録されたからといって、「金のなる木」になれるわけではない。ユネスコの登録申請制度を見ると、無形文化遺産の救済?保存?保護?復興がその目的とされている。  

 今回世界の46件の文化遺産が、ユネスコに登録を申請した。そのうちアゼルバイジャンの伝統馬術、ボツワナの部落の伝統舞踊、コートジボワールの部落の音楽、グアテマラの祭り?儀式、インドネシアの伝統的な紡績術、モンゴルの書芸などが、緊急保護の必要な文化遺産とされた。委員会は12月2日から8日にかけて開かれる年次総会で、最終決定を下す。

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