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宮崎駿監督に続き、ツァイ・ミンリャン監督が引退 ベネチア映画祭
2013年 9月 7日14:59 / 提供:新華網日本語

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 2013年9月5日、開催中のベネチア国際映画祭で、台湾のツァイ・ミンリャン(蔡明亮)が引退を発表。同映画祭では宮崎駿監督に続く引退発表となり、映画界に大きな衝撃が走っている。

 開催中のベネチア国際映画祭では、ツァイ監督の「Stray dogs」(中国語タイトル:郊遊)が中国語映画として唯一、コンペティション部門にノミネートされている。5日(現地時間)、「Stray dogs」の上映会に出席したツァイ監督は、「商業映画を作るのは自分の芸術的な原則に反する」として、映画界からの引退を発表。今後、映画は一切撮らないと宣言した。

 1957年生まれの55歳、マレーシア出身。台湾?中国文化大学を卒業後、脚本家として映画界に関わるようになった。1994年の「愛情萬歳」はベネチア映画祭で金獅子賞を受賞した。台湾映画界の第2次ニューウェーブ世代を代表する監督で、セリフは少なく映像と小道具で見せる独特の擬似的表現が特徴。個性的な作品には世界中に熱狂的なファンを持っている。

 1991年に台北市内の街中で発掘したリー・カンション(李康生)を、1992年「青春神話」から「Stray dogs」までの全作品で主演に起用し続けている。同性愛者であることをカミングアウトしているツァイ監督だが、自身の分身とも言えるリー?カンションとの関係はずっと謎めいたものだった。リー・カンションについて、「彼の顔は、僕の映画そのもの」と話している。引退発表にあたって、あらためて2人の関係を聞かれたツァイ監督は、「人生を最後まで共にする伴侶」とのみ語った。