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中国と日本が制作を競う「西遊記」
2013年 2月 25日16:58 / 提供:人民網日本語版

 中国中央テレビ(CCTV、日本のNHKに相当)が6年の月日をかけて制作し、1986年に放送したドラマ「西遊記」(全25話)は当時、大人気となった。同局は1998年に、技術的原因で先送りにしていた16話を補って撮影した。計41話となった同ドラマは、中国四大奇書に数えられ、全100回の小説「西遊記」が描写しているストーリー全体を忠実に再現している。全41話となって2000年の春節(旧正月)から放送されたドラマは多くのファンや専門家からも好評を博し、現在でも、同小説をモチーフにした作品のモデルとされている。羊城晩報が報じた。

 CCTV版「西遊記」で、孫悟空を演じている六小齢童さん(芸名)さんは、浙江出身で、父の章宗義さんも、紹興市浙江紹劇団が演じる京劇西遊記「孫悟空三打白骨精」で孫悟空役を務めるなど「孫悟空一家」で育った。上海の「天馬電影製片廠」によって撮影された同京劇は、72カ国で公開されている。そして、六小齢童さん自身も、「小説の中の孫悟空に最も近い」と称されるほどの演技力を身に付けた。

 一方、日本では2006年、超人気ドラマ「東京ラブストーリー」などを手掛けた脚本家の坂元裕二氏が脚本を務めたドラマ「西遊記」(フジテレビ系、全11話)が人気を集めた。同ドラマでは人気アイドルグループの香取慎吾さんが主役の孫悟空を務め、三蔵法師には人気女優の深津絵里さんが起用された。そして、「火の国」や「温泉の国」、「夢の国」、「砂漠の国」など、毎回「国」がつく題名が付けられた。

 大人気となった同作品は2007年、映画化され、撮影グループは中国でもロケを行った。さらにさまざまな特殊技術を使って撮影された同映画は中国でも話題になった。同作品の中で、三蔵法師は白い僧衣を身にまとった美しい美女となり、愛馬玉龍は登場せず、弟子3人と徒歩で旅をする。また、孫悟空も3人の弟子のうち最も入門がおそい3番弟子という設定で、3人はほぼ対等の仲間として扱われている。さらに、孫悟空の戦う力は依然として強いものの、原作で描かれているほどの圧倒的な強さではなく、筋斗雲も雲ではなく、通常は小さな羽根の形をしており使用する際に懐から取り出すアイテムとして描写されているなど、完全なオリジナルキャラクターがほとんどだ。中には同作品を、「尼1人を僧侶3人が追いかけるストーリーだ」と揶揄するファンもいる。

 日本にはさらに、三蔵法師が銃を持っていたり、4人が麻雀をしたり、さらには三蔵法師と孫悟空が恋愛をしたりするアニメ・ゲームなど、西遊記をモチーフにした作品が数多くある。

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