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「日本の100人の漫画家が描いた8・15」展、長春で開催
2012年 8月 17日17:04 / 提供:人民網日本語版

 「この絵の中の女の子が私です。当時わずか9歳でした。この漫画は敗戦後に私たちが中国を離れた時の心境を描いたもので、戦争の苦難は一生忘れることができません」。町田典子さんは壁に掛けられた漫画を指さし、当時を振り返った。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

 この漫画は偽満皇宮博物院(吉林省長春市)がこのほど開催した「日本の100人の漫画家が描いた8・15」展に出展された約100作品のひとつ。世界反ファシズム戦争勝利67周年に当たる8月15日を前に、多くの長春市民と日本の漫画家が訪れ、歴史を回顧し、平和を祈った。

 町田典子さんの帰国を描いたこの漫画は、漫画家・森田拳次(もりた・けんじ)さんが描いた。「当時は非常に悲惨でした。日本から渡った人々は痩せこけ、多くの人が亡くなった。戦争が一般市民にもたらした苦難です」。森田さんは、「私たちはあの戦争を忘れることはできません。再び戦争があってはなりません」と語った。

 出展された作品は、幼少時代に日本の敗戦を経験した日本の漫画家100人が「戦争反対」「平和維持」をテーマに創作した。作品は当時の年齢を16歳以上、8-15歳、5-7歳、4歳以下の4コーナーに分けて展示された。

 「毎年8月15日正午になると、頭をぶんなぐられた痛みを思い出します。敗戦当日、玉音放送をラジオで聞いた時、うれしくて飛び跳ねたら、父に殴られました。当時はまだ10歳でした」。漫画家・山根青鬼(やまね・あおおに)さんは「あの頃は大阪の空襲は昼夜やむことがなかった。敗戦後ようやく戦争の恐怖から逃れられたのです」と振り返る。

 4歳の子を連れて訪れた長春市民の李旭さんは「漫画という手法であの戦争がもたらした苦痛を生き生きと描いている。戦争が中日両国民に危害をもたらした悲劇を知ることができる」と感想を語った。「今回子どもを連れて見学に訪れたのは、幼い頃から当時の歴史を知ることで、今の幸福な生活を大切にしてほしいと思ったから」。

 今回の漫画展に出展したのはいずれも、日本の平和反戦民間団体「八月十五日の会」。同会は日本の漫画界・文学界関係者が名を連ねており、中国で広く親しまれている俳優・高倉健さん、日本漫画界の神様とよばれる「鉄腕アトム」作者・手塚治虫さんも同会のメンバー。巡回展として中国侵略旧日本軍南京大虐殺記念館(江蘇省南京市)、中国人民抗日戦争記念館(北京市豊台区)などでも開催され、社会各界から大きな反響を呼んだ。

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