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宮廷の恋愛絵巻、渡辺淳一氏の新作「天上紅蓮」
2012年 3月 17日14:17 / 提供:人民網日本語版

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  上海譯文出版社は15日、「失楽園」などで知られる作家・渡辺淳一氏の新作「天上紅蓮」中国語版をこのほど出版したと明らかにした。「天上紅蓮」は、日本の古代宮廷を舞台とする、渡辺氏が初めて手掛けた歴史恋愛小説。京華時報が伝えた。

  「天上紅蓮」は、1千年以上前の平安時代を時代背景に、主人公・白河法皇と璋子の「年の差恋愛」を軸に、史料を丹念に研究し、忠実に添って書かれた恋愛小説。登場する歴史的人物については、徹底的に調査された上で書かれている。「天上紅蓮」というタイトルの由来について、渡辺氏は、璋子の生涯、白河法皇の生涯、2人の愛が「紅蓮」という言葉に表現されているとし、「『天上人(宮廷人)』とその周辺の人々の命と愛の炎が、紅蓮のように燃え盛る様子が、物語全体を包んでいる」と説明している。

 小説は、璋子を描写した文章が最も多い。この点について渡辺氏は「この物語の時代設定は平安時代ですが、自由を追求する璋子という女性の考え方や行動は、ある程度現代社会を映し出した縮図。この物語では、白河法皇と璋子の愛情に対するエネルギーが描かれているが、どちらかと言えば、女性が持っている非常に大きな包容力をより多く表現した。現代社会において、個人の生き方には極めて大きな変化が生じている。特に、女性の大胆さや明晰な判断力は、ますます顕著になってきている」と語っている。

 「天上紅蓮」中国語版の翻訳は、竺家栄氏による。渡辺氏の人気作「失楽園」や大江健三郎氏の「取り替え子」などの文芸作品を翻訳したことがある同氏は、「天上紅蓮」と日本の古典名作「源氏物語」には、多くの共通点があり、いずれも平安時代の宮廷での恋愛をテーマとしているとの見解を示した。また「『天上紅蓮』のストーリーは、目まぐるしく変わるヒロインの運命に伴って、起伏に富んだものとなっている。登場人物の心理描写は、極めて如実できめ細かい。また、』『曲水の宴』』『七夕の詩宴』『雪鑑賞』など伝統的な宮中行事の描写も小説のあちこちに散りばめられている」と続けた。

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