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河北省の「潘家峪事件」 被害者らが日本政府相手に集団訴訟準備
2014年 7月 15日10:11 / 提供:人民網日本語版

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13日、潘家峪村の村民委員会が日本政府相手に起こす集団訴訟の全権を中国民間対日索賠聯合会に委ねる。

旧日本軍は第二次世界大戦中、河北省豊潤県潘家峪村での虐殺事件など、中国で数々の大罪を犯した。しかし、日本政府は戦後、反省や謝罪をしないどころか、侵略の歴史を美化し、平和憲法を改正することで、軍事主義の復活を絶えず試みている。中国民間対日索賠(賠償請求)聯合会の童・会長は13日、「日本政府は、歴史上の失敗を繰り返そうとしている。しかし、血の負債は必ず返さなければならない」と指摘した。中国新聞網が報じた。

潘家峪村の村民委員会は現在、日本政府を相手に中国の裁判所で訴訟を起こし、日本政府に対して「潘家峪事件」の被害者に対する謝罪と約60億元(約980億円)の賠償を求める準備をしている。同委員会は同訴訟の全権を中国民間対日索賠聯合会に委ね、その委託式典が13日、北京で行われた。

童揄長によると、潘家峪村の訴訟は、被害者やその遺族が中国国内の裁判所で起こした賠償請求訴訟の中で、請求金額が最も高い案件だ。

小さな山村である潘家峪村は、第二次世界大戦中、日本軍と戦うための砦となっていた。同村は1941年1月25日、旧日本軍の兵士約5000人に襲撃され、1298人の村民が虐殺された。

この「潘家峪事件」の被害者やその遺族は、正義を求めるために、日本政府を相手に訴訟を起こすことを長年希望してきた。童揄長は、「弁護士を雇い、訴訟のための資料をまとめ、遺族の希望を叶えられるようできるだけのことをする。順調にいけば、中国で戦時中に虐殺された被害者やその遺族が、日本政府を相手に中国の裁判所を通して起こす初めての集団訴訟となる」と語る。

同事件の生存者である潘守力さん(86)にとって、もっとも苦痛だったのは、当時、弱者である高齢者や女性、子供の死体があちこちに転がっていたことで、「そのつらい経験が73年にわたって心を悩ましてきた。村民が殺される悪夢を見て、目が覚めることがよくある」と訴える。そして、「当時、私はまだ12歳で、他の人の下敷きにされたから生き残った。多くの人を殺した後、旧日本軍の兵士は死体を刀で刺していた」とし、ズボンをめくって足の傷跡を見せ、「これも刀で刺された跡」と涙を詰まらせた。

童揄長は、「各生存者の証言は、どれもが悲惨な記憶であり、生々しい歴史。侵略者が犯した罪の動かぬ証拠でもある」と指摘する。

実際には、1992年にも、潘家峪事件の被害者らが行動を起こそうとしたが、失敗に終わっていた。潘家峪民間対日索賠団の潘瑞?・団長は、確かな証拠である殺害された1298人のリストを見せながら、「集団訴訟を起こすのは、日本政府が深く反省し、被害者とその遺族に対して、心からの謝罪と、十分の賠償をしなければならないから」と訴えた。

潘瑞?団長は、「日本政府が反省や謝罪、賠償を行わないなら、勝利を収めるまで、訴訟は代々続くことになる」としている。

童揄長は、「日本政府を相手にした訴訟は簡単にはいかない。それでも、同事件の被害者とその遺族の集団訴訟により、日本の悪事が一層明白になるだろう」とし、「戦争が終わって何十年にもなるが、侵略者などに対する訴訟の声は依然として大きい」と指摘。「旧日本軍が当時犯した非人道的な悪行の責任を追及することで、現在、戦争を起こそうとしている日本の右翼や政治家達に、『血の負債は必ず返さなければならない』ということを分からせたい」と訴えた。(編集KN)


 

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