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盧溝橋事件77周年 抗日戦争の元兵士を助ける民間活動
2014年 6月 26日16:52 / 提供:人民網日本語版

 「七七事変」(盧溝橋事件)から今年で77年となる。旧日本軍は77年前、入念に計画した盧溝橋事件の実施により、全面的な中国侵略戦争を開始した。盧溝橋事件は、中国を戦禍の深淵に陥れたと同時に、日本帝国主義を滅亡へと導いた。

 数十年が経ち、中国社会には天地の裏返るような変化が起きた。だが盧溝橋事件当時の国民政府の時代も新たな中華人民共和国の時代も、中国の人々は盧溝橋事件を記念し続けてきた。

 記念活動には、感情による「紐帯」とそれを吐露する「場所」がつきものだ。そして「思想・思潮」と「行動・行為」をつなぐのは、各種の民間団体である。

 中国の広い大地では今、長江の南でも北でも、万里の長城のこちらでもあちらでも、無数の人々が民間組織を通じて自らの感情・心配・悲哀・憂慮・愛国心を表現している。

 抗日戦争(日中戦争)の元兵士を記念する民間団体には、私の知っているだけでも、浙江省の「我們愛老兵網」、深セン市の「関愛抗戦老兵網」と「無冕愛心網」、北京市の「互助抗戦老兵網」がある。大きな影響力を持つ民間博物館としては、樊建川さんが成都市に設立した「建川博物館」と呉先斌さんが南京市に設立した「南京民間抗戦史料館」がある。抗日戦争の歴史を研究する団体としては、成都の「巴蜀抗戦史研究院」などが挙げられる。

 以下では、これらの民間組織を簡単に紹介する。

 ▽「我們愛老兵網」

 ボランティア数万人を有する民間の公益サイト。同サイトの責任者は裘黎陽さん。2013年4月12日に設立され、数カ月で300人余りの元兵士に100万元(約1630万円)を超える支援金を配った。裘さんのいる浙江省紹興地区には、抗日戦争を自ら経験した元兵士が144人いる。平均年齢は91歳で、35%が名高い士官学校「黄埔軍校」に通った経歴を持つ。裘さんは、公益事業に熱心な浙江地区の企業家で、2012年2月に元兵士のための活動を始めた。従業員全員による元兵士へのいたわりを呼びかけた全国唯一の社長であり、周辺の友人とここ2年で150万元(約2450万円)余りに達する資金援助を行ってきた。

 ▽「無冕愛心網」

 同サイトの責任者は孫冕さん。孫さんは広東汕頭出身の1953年生まれで、現在新進気鋭の時事生活週刊誌「新週刊」の社長を務める。陳坤やケ超など映画?テレビ業界で大きな影響力を持つ有名俳優に応援してもらっている。孫さんの同サイトはこれまでに、貧困線以下で暮らす抗日戦争の元兵士数百人を資金援助してきた。

 ▽「関愛抗戦老兵網」

 初代責任者の李明暉さんは、「抗日戦争の兵士を思うとはまず、抗日戦争を生き延びた元兵士を助けることだ。過去数年で見つかった元兵士3千人余りの半分近くは、基本的な生活にも困難を抱えていた」と語る。2013年6月には、元兵士の定期援助プロジェクト「関愛抗戦老兵公益基金」が正式始動された。抗日戦争を生き延びた元兵士に月額500元(約8000円)の資金援助を亡くなるまで行う。死亡後は、家族または志願者が葬儀補助2000元(約3万3000円)を申請できる。

 ▽「互助抗戦老兵網」

 同サイトの責任者は70歳になっても元気溌剌の曹さん。初代の責任者は韋志華さんと和方亮さん。私の知る限りでは、抗日戦争を生き延びた元兵士を組織的?計画的?大規模に捜索?支援するための全国初の民間公益組織は「互助老兵論壇」だ。この組織は2004年、ロック好きの仲間によって設立された。活動は今も盛んで、抗日戦争の元兵士の援助ボランティアが全国各地で活動している。多くの人がすでに、元兵士を援助する中堅力となり、経験豊富なボランティアとなっている。

 ▽「建川博物館」

 正式名称は「建川博物館聚落」(Jianchuan Museum Cluster)。民間企業を営む樊建川氏が設立した。博物館が集まる町として知られる四川省成都市大邑県安仁古鎮にあり、劉氏荘園の所在地に設けられている。敷地面積は約33万平方メートル、延べ床面積は10万平方メートル近く、所蔵品は800万点余りで、国家の一級文化財に指定されているものは329点を数える。博物館は「平和のために戦争を収集する。未来のために教訓を収集する。平安のために災難を収集する。伝承のために民俗を収集する」を主題とし、「抗日戦争」「民俗」「赤色時代」「震災救助」の4つのシリーズの30余りの分館が設置され、すでに24館が完成して開放されている。現在、国内で民間資本の投資額が最も多く、建設規模と展覧面積が最も大きく、収集内容が最も豊富な民間博物館となっている。

 ▽「南京民間抗戦史料館」

 南京市民の呉先斌さんが個人投資で設けたもので、南京人民の抗日闘争を主題とした江蘇省初の民間総合博物館である。すでに1300件余りの珍しい収蔵品が集められ、抗日戦争に関わる書籍4万冊余りがそろう。展示は「南京城の訴え」と「奴隷になることを拒否した人々」の二つからなり、独特の民間の視点から、「南京大虐殺」という悲劇の歴史と南京城の抗日戦争における文化精神を人々に伝えている。教育の場としての高い魅力と伝播力、衝撃力を持っている。2006年12月の正式公開以来、延べ6.8万人余りが訪れ、米国や日本などの外国人の訪問団体17団体も訪れた。

 ▽「四川巴蜀抗戦史研究院」

 2012年9月設立、責任者は廖品正さん。国共両党の指導を受けた抗日戦争を経験した元兵士と抗日戦争史を研究する専門家60人余りによって組織された学術研究機構。四川省民政庁の認可を受け、省文史研究館の管理を受けている。主要業務としては、四川地区の抗日戦争の歴史を研究すると同時に、宣伝?交流、抗日戦争の元兵士と家族の親睦会の組織、生活困難の元兵士の慰問などを展開している。

 ▽「深セン竜越慈善基金会」

 責任者は孫春竜さん。2011年11月に設立された同基金会は、民間で発起されていた「老兵回家」を継承すると同時に、湖南?広西?陜西?貴州?四川?雲南などで「元兵士援助計画」を実施し、「英雄への献花」「台湾地区で一人で亡くなった元兵士の(大陸部での)家族探し」「こんにちは、元兵士」「暖冬夢想行動」などの多種の訪問・記念・慰問活動を展開してきた。2012年11月までに基金会が調達?寄付した資金は200万元(物資含む)(約3300万円)を超え、これの益を受けた元兵士は約1500人に達する。

 さらに多くの人々が抗日戦争の歴史に注目し、日を追って少なくなる抗日戦争の元兵士に思いを馳せることを願う。

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