この報告書はオンラインアンケートの形で、全国の27万人以上を対象に実施された。中国で都市化プロセスの推進に伴う、都市部への新移民が注目されている中、調査対象者は北京、上海、広州、深センなど36都市をカバーした。
中国では2013年に、北京や上海、広州といった大都市から離れたり故郷へのUターンが一時ブームになった。しかし、今回の調査では、北京や上海、広州、深センという大都市では、地方からの人が都市部の総人口の8割近くを占め、新移民は都市建設の絶対的な主流派であることが明らかになった。一方で、これらの中間層以下で働く都市部への新移民は、低収入のため、貯金が少なく、毎月の貯金率は収入の14.33%だ。また、半分近くの人はほとんど貯金せず、日々の生活に追われているのが現状のようだ。
これらの新移民にとって、幸せな生活を送る3大神器は"マイホーム""配偶者""ある程度の貯金"という結果になった。しかし、「いまの生活で幸せを感じている」と答えた人はわずか2割。また、80.9%の人が、より多くの収入を得るため、仕事を変えざるを得ないと答えた。特に旧正月の春節直後には、転職のピークを迎え、32%の人が「必ず仕事を変える」と答え、36%の人が「仕事を変える可能性が高い」と答えている。
新移民の訴求は、ただ金を稼ぐことだけでなく、「都市部に溶け込み、体面を考えた仕事に携わり、都市の主人になりたい」と願う人が多くなってきている。中間層以下で働く人のうち、職業にプライドを持っている人が少なく、わずか1割という結果だ。また、15%の人が「今の仕事で十分な敬意を得ている」と答え、40%の人が「社会からの敬意を感じられない」と答えています。都市部への新移民にとって、尊敬されたり、敬意を受けることが、まさに贅沢な報酬とも言えるようになったのかも知れない。