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消費増税、節約に苦心する日本人
2014年 4月 8日13:25 / 提供:人民網日本語版

 4月1日は、すべての日本人にとって、新たな時代の始まりとなった。17年ぶりに消費税が増税され、5%から8%に引き上げられたのだ。銭江晩報が伝えた。  

 消費増税により、食品や交通などの支出が増加している。日本人は4月前の「最後の買い溜め」後、財布の紐をきつく締めている。  

 ◆4人家族の世帯、9万円の負担増  

 消費増税の国民への影響については、100円の商品の税込価格が、4月より105円から108円になると言えば分かりやすい。  

 第一生命経済研究所の報告書によると、父・母・二人の子という標準的な4人家族の世帯で、世帯年収が600万円の場合、増税後に年間の負担が9万円増加する。  

 また4月1日より、国民年金と厚生年金の支給額は0.7%引き下げられ、医療費負担が拡大する。これは高齢者にとって、年金が減り生活費が増えることを意味し、ますます暮らしにくくなる。  

 消費増税が発表されてから、買い溜めの現象が発生した。秋田県秋田市在住の柳川さんは、「3月の最後の休日に、自動車ディーラーに行き、280万円でトヨタの新車を購入した。これで8万円以上を節約できた」と語った。  

 百貨店や貴金属店で、金を買い求める人が列を作ったばかりか、婚約指輪や結婚指輪も好調な売れ行きを記録した。東京の某有名貴金属店の関係者は、「増税により、結婚を予定している若者が事前に指輪を購入した」と話した。  

 3月31日までは活況を呈していた商店も、4月1日からは静けさが際立っている。東京で商店を経営する阿部さんは、「消費者が戻ってくるのは、どうしても3?4カ月後になる」と述べた。  

 阿部さんにとって、この数カ月をいかに乗り切るかが問題だ。一方で、消費増税は日本の安売り店にとって朗報となっている。ドン?キホーテの創業者である安田隆夫氏は、「商品価格が上がるほど、安売り店を訪れる顧客が増える」と喜んでいる。 

 ◆消費増税の悪影響、歴史を振り返る  

 消費増税は、日本の社会保障体制の穴を埋め合わせ、新たな財源を切り開く対策だ。日本は少子高齢化問題により、年金を支払う人が減少を続けているが、年金を受給する人が増加している。ゆえに政府の年金基金の不足額が拡大している。また国民健康保険にも「赤信号」が灯っており、日本の社会保障制度が崩壊の危機に直面している。  

 このほど可決された2014年度予算案を見ると、95兆円の国家予算のうち、社会保障に充てられる資金だけでも32兆円に達する。ゆえに日本は消費増税により、新たな財源を確保するしかない。  

 日本で経済問題を取材中の米国人記者は、「消費増税後、消費税によって得られる税収は多くない」と語った。この記者は「消費増税後の時代」について、「物質面で豊かになった後の、新たな消費の動機が刺激され難い時代」と定義した。米国や 中国の消費形態と比べ、日本の消費の意欲は低い。  

 これは1997年の消費増税後、日本の税収が減少を続けた統計結果と合致している。1997年には消費税が3%から5%に引き上げられたが、日本の税収は50兆円から、現在の約40兆円まで減少した。消費増税の「張本人」である、時の橋本龍太郎首相は辞任前の記者会見で、「これほど影響が大きいとは思わなかった。分かっていれば最初から増税しなかった、私の間違いだ」と述べた。  

 ◆消費の意欲が低下、試練を迎えるアベノミクス  

 消費増税後の日本はすでに消費の意欲が減少しており、この時期での消費増税はアベノミクスにとって泣きっ面に蜂だ。  

 野村證券のエコノミストが発表した報告書によると、日本政府は増税により毎年9兆円の新たな収入を得るように見えるが、消費低迷による景気低迷を阻止するためには、全社会が毎年35兆円を投じる必要がある。  

 橋本氏の例があるにも関わらず、安倍首相は意気込みを見せている。しかし生活に深刻な影響を及ぼす増税を受け、国民の政治に対する観点にも変化が生じている。今年3月に実施された世論調査によると、安倍内閣の支持率は48.1%となり、前月比で5.6ポイント低下した。回答者の7割は、景気回復の実感はないと答えた。読売新聞社と早稲田大学が年初に実施した世論調査でも、回答者の65%が次の選挙で政権与党が交替されることに期待した。

 ◆ネットユーザーの声  

 「消費税8%への対策は?」と題する調査の中で、日本のネットユーザーが寄せたユーモアあふれる現実的な回答は、国民の増税後のやるせない気持ちを反映した。  

 「当面の急務は、買い溜めできるものを買い溜めすることだ」  

 「これを機に酒と煙草をやめよう」  

 「合わせやすい服を買うようにする」  

 「外食を控える」  

 「これまでの生活をしていたら節約は無理だ。他に仕事を探そう」  

 「買うか買わないか迷っている時に、これを買わなきゃ生きていけないか、買わなくても生きていけるかと自問する」  

 「新聞の購読をやめ、テレビを手放し、NHKの受信料支払いをやめよう」  

 「コンタクトをやめて、普通のメガネにしよう。コンタクトの高さは異常だ」  

 「なるべく家でトイレを使わないようにする」  

 「票を集め、真の貧乏人を国会に送り込み、民意を示してもらおう」

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