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「ネットショッピングで不愉快な思い」が7割
2014年 3月 16日16:17 / 提供:人民網日本語版

 3月15日の「世界消費者権利デー」が近づいてきた。人民網の掲示板「強国コミュニティー」はこのほど北京美蘭徳信息公司と共同で、インターネットショッピングをめぐる状況について消費者を対象に調査を行った。人民日報が伝えた。

 調査データによると、ネットショッピング利用者の71.4%が、過去1年間にネットショッピングで不愉快な思いをしたことがあると回答。不愉快さの原因のトップに挙がったのは、「画像や説明に誇張があって実際の商品と異なり、商品を受け取ってがっかりした」ことで、56.5%の人が理由として挙げた。2番目の原因は「物流?宅配サービスのペースが遅い」で25.0%、3番目は「店舗のアフターサービスがよくない」で24.4%だった。

 江蘇省出身の来た邱さんも「写真と実物が違った」経験がある。広東省仏山市にある家具会社の淘宝(タオバオ)店舗でインテリア用建材を約2千元(約3万3千円)で買った時のことで、店舗側は建材は100%木製だといい、虚偽があれば10倍の損害賠償金を支払うとしていた。受け取った商品をみると木でできていたのはふちの部分だけで、邱さんは淘宝の顧客サービス係に苦情を申し入れたが、店舗側は返品と返送料の支払いにしか同意せず、邱さんは10倍の損害賠償金支払いを求めた。

 その後、消費者委員会が介入したが、店舗側の態度は非常に悪く、こうしたやり方は業界の裏ルールであり、ネット販売を手がけるすべての建材企業がこのような問題を抱えており、自社だけが悪いのではないと強弁。度重なる交渉の末、店舗側は結局、返品と返送料のほかに賠償金300元(約4900円)の支払いに同意しただけだった。邱さんと店舗側との隔たりは大きく、調停は無効に終わり、邱さんに対し淘宝店舗の所在地や家具メーカーの所在地にある工商局に訴えるようアドバイスすることしかできなかった。

 中国消費者協会弁護師団の邱宝昌団長によると、写真と実物の違いという現象が出てきた原因は、インターネットでは商品の様子を完全には伝えきれないという点にある。写真と実際の色の違いや人為的な要因により、写真と実物にズレが生じる。ネットでは商品の実際の感じをつかんだり、見比べたりすることができない。ネットワーク取引とはこのようなものであり、消費者の知る権利に影響を与え、消費者が自ら選択することを難しくしているという。

 ▽主体的に権利保護する消費者は4割足らず

調査によると、ショッピングで不愉快な思いをした時に、主体的に解決する方法を探るとした回答者は39.8%いたが、解決方法を探ることはせず、教訓になったと考え泣き寝入りするとした回答者も33.1%に上った。問題解決への意識が低いことがわかる。解決方法を探した回答者のうち、最終的な解決に至った人は35.6%にとどまった。

 消費者は自ら主体的に問題の解決を探るよりも、電子商取引(eコマース)プラットフォームになんとかしてもらいたいと思っている。調査によると、回答者の8割がeコマースプラットフォームに商品紹介ページの説明が正確であるよう整備・強化してもらいたいと答え、52%がeコマースプラットフォームが今やるべきことは商品の質を向上させることとの見方を示し、ネットショッピングeコマースプラットフォームの決済環境、物流、情報保護、価格面の優位性などの改善に期待するとした人も一定数いた。

 ▽不愉快の7割はC2Cプラットフォームで

 ある調査によると、ネットショッピングで不愉快な思いをした人のうち、71.1%が国内のC2C(一般消費者間の取引)でのことと答え、国内のB2C(企業・一般消費者間の取引)総合プラットフォームには多くの問題があるとした人は26.0%に上った。邱団長によると、C2Cは個人向け取引で、効果的な監督管理を構築することが難しいため、トラブルが発生しやすいのだという。

 中国インターネット協会の高新民常務副理事によると、中国のeコマースプラットフォームで今最も改革を必要とするのは次の4点だ。(1)電子決済の安全性(2)情報の透明性。偽装割引や虚偽の商品説明といった行為を撲滅すること(3)アフターサービス。新たに修正された「消費者権利保護法」を厳格に執行する必要がある(4)消費者の個人情報の安全性を保障すること、の4点だ。eコマースプラットフォームの多くは人件費を抑えて市場競争力のある価格をうち出している。たとえば宅配業者は低賃金で消費者にサービスを提供しているが、長期的にみれば、こうしたやり方は持続することが難しいという。

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