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インターネット大手の忘年会、100万元の現金や高級車が賞品に
2014年 1月 21日17:01 / 提供:人民網日本語版

 春節(旧正月)の長期休暇が迫る中、多くの企業が「年会(忘年会)」を開いている。今年ネット上で報じられている忘年会の景品は、豪華さを競い合うような内容となっており、多くの人はその贅沢さを羨み、嫉妬している。この豪勢な忘年会の現象については、ネット上で活発な議論が展開されている。ある人は、「忘年会はますます企業のPRの場となっており、悪趣味な内容が含まれ、悪い気風だ」と指摘した。広州日報が伝えた。

 ◆旅行・高級車?金の延べ棒が景品に

 ネットワークサービスの金山網絡は先月、忘年会をビーチリゾートの三亜市で開催すると発表した。1000人の社員がチャーター機で三亜市に向かい、5つ星ホテルに宿泊するというのだ。この情報は注目を集め、IT関係者を羨ましがらせた。

 インターネット業界のもう一つの巨塔、ネット通販2位の京東商城もこのほど、忘年会で豪華な景品を提供した。現場に居合わせた関係者によると、京東商城の忘年会は非常に盛大なもので、劉強東CEOは現場に100万元(約1700万円)の現金を持ち込み、そのうち50万元を現場の抽選の景品にした。最低の3等賞は20人の当選者が出て、一人当たり1万元が支給された。残りの50万元は、現場に居合わせなかった、会社で勤務中の社員のために残されたという。

 ネットセキュリティソフト最大手の奇虎360は、これまで金を出し惜しみしてきたが、今年の忘年会では約2000万元(約3億4000万円)相当の景品を提供した。最優秀社員には200万元(約3400万円)のポルシェ?カイエンを1台、優秀チームには100万元(約1700万円)の現金、優秀社員には50万元(約850万円)の株+両親との香港ツアーをプレゼントした。また、タブレット端末キンドル・ファイアが300台、金の延べ棒が88本、iPadが60数台、GALAXY Note 3が20台、iPhone 5S(ゴールド)が16台支給され、計算すると約2000万元相当に達した。

 ◆忘年会はPRの場

 なぜインターネット企業は巨額の資金を投じて忘年会を開くのだろうか?企業の忘年会は本来、社員の年末のお祭りであるはずだが、各インターネット企業の広報部門は近年、これを全社員が参加する広報活動にしている。宣伝効果が極めて高いため、各社はあの手この手で他社を圧倒する個性を見せつけようとしているのだ。

 業界関係者は、「忘年会は企業のPR活動になってきている。特に『アテンション?エコノミー』と呼ばれるインターネット企業は、注目を集める必要があり、広報活動になりそうなチャンスは全てつかもうとする。企業の忘年会が、インターネット企業の使う効果的なPRの武器と呼ばれるのも無理はない。これを上手く活用すれば、少ない投資で大きな効果を得ることができる」と指摘した。

 これはハイテク業界全体の、業務のプレッシャーとも関連している。あるインターネット企業の関係者は、「忘年会は一年間で最もリラックスできる時だ。1年間必死に働いたのだから、肩の力を抜かなければならない」と語った。社員はプレッシャーから解放され、未来を思い描く必要がある。そのためユーザーエクスペリエンスを特に重視するインターネット企業にとって、この日にいかに社員の要求に応じるかは極めて重要な事だ。自社の社員の需要も満たせないで、ユーザーのニーズに応じることなどできないからだ。

 また某社の広報担当者は、「投入産出比率を見ると、忘年会の投入はそれほど高額ではない。全社員が出席するからだ。例えば奇虎360は4000人以上、京東商城は2000人以上の社員が忘年会に出席し、非常に賑やかに見えるが、1等賞の抽選率は低い」と指摘した。

 ◆豪華にすべきか、シンプルにすべきか?豪勢な忘年会の現象をめぐっては様々な議論があり、これに賛成する声と反対する声がある。ある人は、「1年間頑張ったのだから、年末に休むべき人を休ませ、奨励すべき人を奨励すべきだ。忘年会は社員が集い会食をし絆を深める場であり、企業のイメージと実力を示す時でもある。大企業は自社の実情に基づき、忘年会の規模と奨励の内容を決めており、批判されることはしていない」と語った。

 しかし一部の人は、「これらの忘年会は物質的な奨励を他社と比べ合い、中には悪趣味な内容が含まれ、悪い気風だ」としている。広州のインターネットベンチャー企業の関係者は、「自社の忘年会は会食だけで、後は数台のiPhoneを景品とする抽選で終わりだ。ベンツ+旅行+現金といったさまざまな奨励、数百万元をポンと出せる企業は少数であり、提唱する価値はない」と述べた。

 年末の忘年会は、どのようにすれば「控えめで豪華」になるのだろうか?あるネットユーザーは、「一部の企業の忘年会はますます豪勢になっており、数百万元の賞品が出ているようだが、羨ましくもないし嫉妬もしない。これは我が社の、控えめであっさりした忘年会にも及ばない。私の会社では野菜を栽培するハウスに入り、自然の風光を楽しむと同時に、美味しいチンゲンサイやイチゴを摘むことができる。100元以内であれば、自己負担する必要はない」と紹介した。

 ある人は、「忘年会は企業のお祭りであり、企業・組織の仕事を締めくくる場だ。忘年会は一年間の経営状況を総括し、チームの士気を高め、美しい未来を展望するべきで、他社と賞品を比べ合うべきではない」と主張した。

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