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中国の福祉水準 50年に欧州高水準国並みになる
2013年 12月 25日13:28 / 提供:人民網日本語版

 中国社会科学院(社会科学アカデミー)経済学部は23日に「中国国家資産負債表分析国際シンポジウム」を開催し、「中国国家資産負債表2013」報告書を発表した。同院の李揚げ副院長が基調スピーチを行い、同報告書を分析した。「環球時報」が伝えた。  

 同報告書によると、中国の純資産(非金融資産に対外純資産を加えたもの)は2011年に300億兆元に達した。国全体の資産の負債比率は上昇傾向にあり、これにつれて債務リスクも高まっている。国の総資産は07年の284兆7千億元から11年は546兆5千億元に増加し、総負債も07年の118兆9千億元から11年は242兆元に増加した。同報告書によると、中国の11年純資産額を緩やかな基準で計算すると約87兆元になり、引き締め気味の基準で計算すると21兆6千億元にとどまるという。このうち国の純資産の増加額は同年の国内総生産(GDP)を前年に続いて下回り、GDP指標に欠陥があることが明らかになった。一連の効果がない投資(過剰な生産能力を生み出すような投資)や資源環境を破壊する活動もすべてGDPに組み込まれており、富を形成する過程でこうした部分を除外する必要がある。また総資産におけるインベントリの割合が激増しており、ここから過剰な生産能力の問題が非常に深刻であることがうかがえる。  

 同報告書によると、中央政府と地方政府を併せた債務は28兆元に迫り、同年のGDPの53%を占めた。うち地方政府債務が19兆9400億元に上ったことが、高い関心を呼んでいる。また企業部門のレバレッジ率は113%に達し、経済協力開発機構(OECD)加盟国の閾値90%を超え、統計の対象となった国の中でトップに立ち、警戒が必要だという。  

 全体的な規模をみると、中国の債務水準は大多数の発達した経済体よりは低く、南アフリカを除くBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興五カ国を指す)よりは高いが、適切な水準にあり、穏やかでコントロール可能な段階にある。だが中国の債務水準はここ数年来急速に上昇しており、各方面は警戒を怠ってはならないし、傍観していてもいけない。  

 同報告書の指摘によると、現行の年金保険システムを執行すれば、23年には全国規模で年金保険が資金不足に陥り、29年には累計残高がほぼ消滅し、50年には不足額が802兆元に達して、同年のGDPの91%に相当するという。また50年の年金支出額の対GDP比は11.85%に上るとみられ、これは欧州の福祉水準の高い国とほぼ一致するレベルだという。

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