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中国:大都市になるほど幸福感が低い傾向
2013年 11月 3日16:58 / 提供:チャイナネット

 中国国家統計局北京調査部のレポートによると、第6回国政調査(2010年)で明らかになった北京の住民数は1961万2千人。第5回国政調査(2000年)と比較して604万3千人の増加で、その増加率は44.5%増だった。毎年平均60万4千人が増加しており、年平均増加率は3.8%である。外来人口の増加が主因だ。2000年から2010年の10年間で、外来人口は倍増している。

 中国社会科学院人口労働経済研究所の楊舸氏は「これは中小都市の増加率より高い数字だ。大都市では出生率が低くなるため、自然増加率は低くなるはず。人口増加の主な原因は外来人口だ」と述べる。

 疑いなく大都市は、若者に多くのチャンスと職を与えており、また視野を広げ知識を深める機会を与えている。「もちろん、社会が急激に発展するなかで、立ち止まろうと考える人もいる。彼らは北京や上海、広州からの“退避”を選ぶ」と楊舸氏は説明する。同氏は、「見知らぬ都会で新参者は孤立しやすい。だから融和に関する研究が注目されている。社会的なセーフティネットを作るべきだ。そして物質面だけでなく、精神面をもサポートするべきだ。外からやってきた人々の社会保障を完備し、彼らの就労環境や条件を改善し、政治を含む社会参加を促すべきだ」との見方を示す。

 「都市の発展には様々なレベルの労働力が必要だ。人は理由もなく都市に集まるわけではない。たとえば田舎と都市の境目に会社を持つ小売業者は、ハイレベルすぎる労働力を求めてはいない。しかし彼らにふさわしい人々が自然に集まっている。都市の発展にはこのような人々が欠かせない。またたとえば、北京の国際貿易や金融業の発達は、自然に低収入の人々の進入を制限している」。楊舸氏の見方では、大都市で暮らす若者は必然的に生活コストの上昇という問題に直面している。「残酷に聞こえるかもしれないが、進化論でいう優勝劣敗の過程のようなものだ」。

 復旦大学人口研究所の任遠氏は、「北京・上海?広州からの退避」現象は看過できない問題だとする。大都市の高すぎる生活コストや競争のストレスが、地方出身の人々の生活環境を悪化させている。それは若者の幸福感の低下につながり、結果として「退避」する人が出現するようになった。

 先日発表された「中国中産家庭幸福指数調査」の結果がそれを裏付けている。全国10都市において20〜40歳の中間層7万人に対するアンケート調査である。

 調査によると、重慶や四川、江蘇、福建の4地域の幸福指数が最高で、半分近い人が家庭生活の現状に満足している。一方、経済が最も発達しているはずの深?、北京、上海、浙江の幸福指数は最低で、中間層家庭にとっての「幸福とは言えない都市」になっている。

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