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浙江省の医師殺人事件 医師協会が事件を厳しく非難
2013年 10月 30日10:06 / 提供:人民網日本語版

 浙江省温嶺市にある第一人民病院で25日、鼻の手術に失敗したことを逆恨みした連容疑者が医師を刺殺し、その他2人の医師にも怪我を負わせる凄惨な事件があったのを受け、中国医師協会や中華医学会、中国病院協会、中国衛生法学会などはこのほど、座談会を開催。医療従事者が被害者となる暴力事件を厳しく非難し、決して容認してはならないと訴えた。連容疑者は刑事拘留され、捜査が進められている。人民日報が報じた。  

 同4機構は、「患者の命を必死で守っている医療従事者を狙った事件は命に対する冒涜。人間性のない行為で、多くの患者の権益に対する侵害でもある。そのため、社会全体から非難を受けるべきだ。多発する医師を狙った事件は、医療従事者の体だけでなく、心をも傷つけている。また、社会の秩序や医療環境をも大きく乱している。このような状況が続くなら、『医師がいなくなる』というのも現実の話となってしまう」と訴えた。  

 医師と患者は、「敵」ではなく「友人」であるべきだ。医師と患者の関係を改善するために、社会全体が系統立てて努力を払わなければならない。  

 中国医師協会の張雁霊?会長は、「公安部門は、1日も早く病院を『公共の場所』に盛り込み、管理を実施し、公共の場所の秩序を乱したり、医療従事者の身の安全を脅かしたりするような違法行為を、法律に基づいて取り締まらなければならない。そして、暴力を受けた医療従事者に対して、政府は賠償を提供しなければならない。そのほか、病院の院長は医療従事者の命を守る責任を果たし、一方の医療従事者も仕事場において自分を守るための対策を講じ、教養を高め、リスクをめぐる医師と患者の意志疎通を強化しなければならない」と強調した。  

北京同仁病院耳鼻咽喉頭頸外科の周兵?主任医師は、「医師を狙った暴力事件では、医師が傷を負い、患者も害を受ける。現在、多くの医師がリスクの高い手術をしたがらない。これは社会にとって悲しいこと。医師がみんなリスクを負いたくないとなれば、医学はどのように進歩するのか。そうなると、患者も益を受けられなくなる」と訴えた。そして、「『医師行為保護法』を作り、医師が難易度が高く、高リスクの医療活動に携わるようサポートすることで、医学技術の進歩を促進するべき」と提案した。  

同事件発生当日、国家衛生計画出産委員会の李斌主任は、被害者とその家族に対する慰問の意を表すと同時に、「浙江省の衛生部門は公安部門と協力し、法律に基づいて犯人を厳しく処罰すると同時に、医療従事者を狙った犯罪行為を根絶しなければならない。そして、被害者となった医師の治療に全力で当たらなければならない。各医療機構の所在地の政府や衛生行政部門は、平穏な病院の構築強化に努め、安全で安定した医療環境を提供し、医療従事者の権益を保護しなければならない」と指示した。

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