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在宅勤務で年収600万円も夢でない! 問題は帰属感
2013年 10月 17日13:21 / 提供:人民網日本語版

 早朝、パンを口にしながら停留所でバスを待っていると、おいしそうな朝食を手に、あわてる様子もなく家に帰っていく人を見かけたことはあるだろうか。そう、彼らは「在宅勤務者」だ。あなたは「在宅勤務」に賛成?荊楚網が報じた。

 ほとんどが「在宅勤務」に賛成  

 「荊楚網」の「微博(ウェイボー・ミニブログ)」の公式アカウントで15日、「在宅ワーカー」のに関する情報が掲載されると、ネットユーザーらが次々に転送、コメントを寄せた。ほとんどのネットユーザーが「在宅勤務」という仕事形態に「賛成」。「絶対賛成」という声も多かった。あるネットユーザーは、「もちろん賛成!どれほどのオフィスのコストが節約できるか。それに交通渋滞なども緩和できる!」とコメントしている。一方、「反対」とするネットユーザーもいる。その理由は「在宅勤務になるとだらけてしまう」と、人の生まれつきの本性を指摘している。  

 同日、筆者は「在宅ワーカー」数人を取材した。うち、香港の科学技術会社の中国事務所で主に高速度カメラを販売しているという杜さんは、事務所が湖北省武漢市の漢口で、自宅は遠い同市武昌東湖開発区の光谷広場近く。「会社に絶対的な規定は特にないので、通常在宅勤務している。主にインターネットを通してメールを処理したり、クライアントに電話したり。仕事の時間は夜に集中している」という。  

 杜さんは、「在宅勤務だと、時間の面で自由が利き、朝早く起きる必要もない。それに、混んだバスや地下鉄に乗らなくてもいいし、家で用事ができても対応できる」とメリットを語る。そして、「同業界で3-5年がんばれば年収30-40万元(約480-640万円)も夢でない」となんとも魅力的。しかし、「帰属感に欠け、オフィスの活気も感じられない」とデメリットも指摘している。  

 実際には、さまざまな業界に「在宅勤務」が存在している。例えば、中国の大手ネットショップ「淘宝」のオーナーやフリーライター、グラフィックデザイナー、工芸品のデザイナー、音楽創作者、営業スタッフなどだ。  

 筆者がサラリーマンも取材してみると、在宅勤務に賛成の女性が多かった。うち、武昌に住む鄭さんは、「家から会社まで遠いため、朝7時に家を出て夕方6時に帰って来るという毎日を送っている」とし、「在宅勤務にとてもあこがれる。リラックスして仕事ができるし、幼い子供の世話もできる」と語った。

 専門家「従業員が企業文化を体験できない」  

 一方、専門家は取材に対して、「インターネットや情報技術が発展するにつれ、中国でも、『在宅ワーカー』が増加するだろう」との見方を示している。  

 武漢市にある中南財経政法大学の熊会兵?准教授は、「米国や日本では在宅ワーカーも多い。例えばデータアナリストなど。中国国内でも『在宅ワーカー』が今後増加してくるだろう。もちろん、多くの条件を満たしていなければ仕事にならない職業は別だが」と述べた。  

 ただ、「現在、企業のヒューマンリソースマネジメントという観点からすると、在宅勤務にもいくつかの問題がある。例えば、在宅勤務者は、企業文化を体験することができない」と指摘している。  

 また、ある専門家も、「従業員が在宅勤務するとなると、企業は一定のリスクを抱えることになる。従業員との意志の疎通を図る体制を整え、管理技術を向上させ、さらに、科学的な評価制度を制定し、従業員が帰属感を感じられるようにしなければ、良い成果を上げることはできない」と指摘している。

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