国家衛生計画出産委員会が3月31日に通達したところによると、上海市と安徽省で3人がH3N9型鳥インフルエンザに感染したことが確認され、そのうち2人が死亡した。これは世界で報告されたH3N9型鳥インフルエンザの初の人への感染症例だ。
H3N9型鳥インフルエンザに感染した3人はそれぞれ上海市と安徽省で確認されたもので、上海の患者は87歳と27歳の男性2人で、応急手当をうけたが、効果がなく死亡した。安徽省の患者は35歳の女性で、現在は重体となっており、江蘇省の南京で治療を受けている。国家衛生計画出産委員会の通達は、3人のこの感染者はいずれも発熱や咳など初期の呼吸器感染症から、重い肺炎に進展し、呼吸困難に陥ったとしている。
これまで、H3N9型鳥インフルエンザは鳥類への感染しか確認されておらず、人への感染例はあなかった。3人の感染者のうち、2人が鳥類と接触したことがあるということだ。
国家インフルエンザセンターの舒躍龍主任は、「このような新しいウィルスに対しては、流行病学や病原学の方法を通じて、監視や研究をさらに進め、人同士の感染力と病原性を明確にしなければならない。今のところ、ウィルスを分離したばかりで、まだ結論に至っていない」と語った。
国家衛生計画出産委員会は臨床や応急措置などを指導するために、すでに専門家チームを現地に派遣した。これまでこの3人の感染者に密接に接触した88人には、いずれも異常は見られていない。
国家疾病抑制センター応急弁公室の馮子健主任は、「今後より多くの感染者が出る可能性があるが、パニックになる必要はない」と述べた。
専門家は、「発熱や咳など急性の呼吸器感染が発症した場合、特に、高熱や呼吸困難がある場合は、直ちに医師にかかるべきだ」とし、効果的な予防策としてまめな手洗い、咳やクシャミをする時に口や鼻を押さえる習慣を身に付けるよう呼びかけると共に、「病死した鳥や家畜に接触したり食用したりしないように注意すべきだ」と警告した。
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