Home > ニュース > 社会  > 日本の菓子店主と莫言の友情 「莫言饅頭」を創作
日本の菓子店主と莫言の友情 「莫言饅頭」を創作
2012年 11月 11日10:35 / 提供:チャイナネット

 

莫

 莫言がノーベル賞を受賞してから、彼にまつわる様々なエピソードが話題になっている。そのうち、日本に「莫言饅頭」というお菓子があると聞き、好奇心を禁じえなくなった。饅頭(マントウ)を、日本でも饅頭(まんじゅう)という。しかし中国のそれとはかなり異なる。中国では主食の扱いであり、かつアンコがない。しかし日本ではアンコが入っているのみならず、非常に小さい。 

 愛知県の称念寺のそばには、数多くの菓子店が並んでいる。「お菓子の西口屋」はその1つである。莫言が訪日した際、称念寺に住んだことがあった。その晩、彼は夢を見た。寺主が両手で空気を変え、彼を持ち上げてお菓子屋の上で揺さぶったのだ。目覚めた彼は通訳を連れて西口屋を訪れ、店主に夢のことを話して盛り上がった。西口屋の店主はそれをヒントに新しいお菓子を開発した。名前はまだなかった。莫言に食べてもらうと、莫言は「表現できないほどうまい菓子だ」と言った。「表現できない」は「莫言(言うなかれ)」と同じ意味である。店主は喜び「莫言饅頭」と名付けることにした。

 莫言饅頭の中には、黄色い栗あんが入っている。皮はとても薄い。包装はシンプルなもので、透明な包装紙に「莫言饅頭」と書いた紙が巻かれている。莫言が来た年、菓子店主は莫言の作品を読んで感動しており、加えて本人とも歓談できた。その友情は忘れがたく、莫言が中国に帰った後、店主は寺主と共に北京に行き、新商品「莫言饅頭」を莫言の家に持って行って彼の家族に食べてもらうことにした。 

 莫言がノーベル賞を受賞した後、莫言饅頭も注目されるようになった。これについて、記者は西口屋店主に電話でたずねてみた。筆者の身分を名乗る前から店主は、「莫言饅頭のことかい」と笑い、そして「メディアの人だろう?」と尋ねた。似たような電話が何度もかかって来たらしい。莫言饅頭はもう販売終了したと店主は話す。それを聞いた記者は残念に思ったが、いずれにせよ、莫言と店主の間のエピソードが感動的なことには変わりない。

関連記事