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中秋節から連想される言葉あれこれ
2012年 9月 28日14:31 / 提供:人民網日本語版

 中秋の名月に当たる中国の伝統的行事「中秋節」(旧暦8月15日、今年は9月30日)が目の前に迫った。中秋節と聞いて中国人が連想する言葉を集めてみた。人民日報海外版が伝えた。  

▽一家団欒  

 中秋節は、「団欒節」とも呼ばれている。この日、誰もが思い浮かべるのは、ふるさとの自分が育った家だ。  

 異郷に住む人は、何はなくとも故郷に戻り、家族一同が集まる。帰郷できない人は、夜空に光り輝くお月さまを見上げ、ややホームシックの気分を味わうことになる。  

 中秋節といえば、中国の伝統的菓子「月餅(げっぺい)」が欠かせない。もともとは「月の神様」へのお供え物だったが、後に丸い形をした月餅が「一家団欒」の象徴として中秋の名月に食べられるようになり、風習として根付いた。  

 今日いくら交通?通信手段が発達したとはいえ、親しい人々との別れは避けがたいことだ。よって、人々が一家団欒を求めるのは、現実的?物理的な需要にとどまらず、心理的な需要によるものでもある。中秋節は、これらの需要を満たす絶好の機会となっている。  

▽調和  

 人々は中秋節に、豊作を願うと同時に、調和も願う。「和」は、中国伝統文化の核心となる価値追求の目標だ。中秋節には、家族が集い、隣近所の人々が中睦まじく交流し、どの階層の人も和合し、地域が安らぎに満ち、民族が一致団結し、国家の調和が取れ、世界が一つになり、和気あいあいとしたムードに浸る。まさに、宋代の詩人、蘇東坡が詠んだ「ただ願う人の長久(ちょうきゅう)なるを、千里嬋娟(ぜんけん)を共にせん」や唐代の詩人、張九齢が詠んだ「海上明月を生じ 天涯此の時を共にす」の世界だ。

▽感謝  

 中秋節は、豊作を祈る農業文化の伝統行事で、その起源は、当時の人々が自然界を崇拝するための儀式であった。社会的に見ると、人々の人間関係を再認識する時という意味合いがあり、家族の大切さを見直す時でもある。  

 お月さまは、民族の調和や家庭の幸せの象徴だ。太古から、中秋節は家庭が集う日だけではなく、国をあげて喜び祝う日だ。季節的にみても、中秋節は「秋の収穫祭」に当たる。このため、お月さまを拝むことで、実際には、大自然や祖先の大きな恩に対する感謝の気持ちを示している。  

▽敬老  

 中秋の文化伝統は、悠久の歴史を誇る。起源は夏?商?周王朝の時代にさかのぼり、古代の敬老精神と結びつき、いまでは一種の敬老文化となった。「礼記」の王制篇には、「三王は、引退した老人を養い、中秋は衰弱した老人を養い、杖を授け、粥を与える」という記述がある。この三王とは、夏の禹王、商の湯王、周の文王のことである。中秋節の頃は、「月齢はマイナス4日、すなわち陰に転じている。陽が衰え陰が盛んになるのが秋で、人ならば、陽が衰え陰が盛んになって老いる」。三王は、これにもとづき、中秋に養老の式を催し、体力の衰えた老人に対して、歩行の助けとなる杖を授け、お粥を供し、敬老の精神を表現した。

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