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中国製月餅34カ国で禁輸 日本へは郵送可能
2012年 9月 22日10:11 / 提供:人民網日本語版

 「中国の3大節句」の1つ「中秋節」(今年は9月30日)を目前に控え、ギフト商戦も繰り広げられている中国。普段お世話になっている人に「月餅」を贈る習慣がある「中秋節」だが、外国の友人に郵送するのには、障害もあるようだ。中国質量監督検験検疫総局はこのほど、「世界の34の国や地域が月餅の輸入を禁止している」ことに加え、「中国も海外から郵送されてくる月餅を厳しく検査し、基準を満たさない場合、送り返すか廃棄する」と注意を呼び掛けた。生命時報が報じた。

 月餅の輸入が禁止されている主な理由は、中に詰められている餡のほとんどが肉や卵の成分を含でおり、鳥インフルエンザや口蹄疫など感染症散布の危険が潜んでいるからだ。また、月餅を郵送するのには時間もかかり、中身が変質する可能性があるため、海外から郵送されてくる月餅の制限措置を取っている国もある。

 同問題に関して、中国農業大学(北京)食品学院の何計国 准教授は、「月餅の生地には高い糖分が含まれており、通常変質することはない。また、作り方に問題がなければ、中身も変質する可能性はほとんどない。ただ、餅の中の肉や蛋などの成分がどの材料からのものかを特定するのは困難で、感染症の来源となってしまう可能性は確かにある。また、税関での手続きにも時間がかかり、月餅が一番おいしい時期を過ぎてしまう」と指摘。「ある学生が海外から月餅を持って帰ろうとして、手続きだけで約3カ月かかった」と語る。

 現在、月餅の輸入を完全に禁止にしている国や地域は、ドイツ、フランス、スペイン、スイス、ロシア、メキシコ、ブラジル、韓国、タイ、シンガポール、フィリピン、インドなど。一方、卵黄や肉を含む月餅の輸入を禁止しているのは、オーストラリアや英国、カナダ、マレーシアなど。また、日本は5キロ以上の月餅に対して、動植物検疫証明や生産国の証明などの提示を求めている。5キロ以下の月餅の場合は証明書類の提示は必要ないものの、箱に成分や賞味期限を明記するよう求めている。

 一方、中国国内の場合、月餅の郵送に制限はないが、何准教授によると、「郵送する際、必ず賞味期限を確認し、郵送の過程をよく考慮しなければならない。またアルコールや牛乳の成分を含む月餅は郵送の過程で、揺られて崩れやすいため、郵送はできるだけ避けたほうがいい。さらに、普通の月餅でも、かたくてじょうぶな箱で梱包し、郵送する時も『割れもの』と表記してもらうのがいい」。

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