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「愛情」だけでは成り立たない中日国際結婚
2012年 7月 13日15:21 / 提供:人民網日本語版

 中国の対外開放が深まるにつれ、中国人は国境を越えて世界に踏み出し始めた。仕事や留学、生活などさまざまな目的で日本に住む中国人も次第に増えている。これら在日中国人のうち最大多数を占めるのは、日本人男性と結婚した中国人女性だ。日本政府が発表した統計データによると、日本の国際化が進むにつれ、国際結婚も増加傾向にある。特に、外国人女性と結婚する日本人男性の増加が目立っている。日本人男性と結婚する外国人女性のうち最も多いのが中国人で、7割以上を占めるという。日本新華僑報網が伝えた。

 中国人と日本人の国際結婚に羨望の眼差しを向ける人は多いが、当人のロマンチックな恋愛ストーリーの裏に、さまざまな辛酸苦楽がある事実も無視できない。文化や結婚に対する考え方の違い、あるいは結婚の目的の違いから、在日中国人妻は、結婚生活にまつわる悲喜こもごもを味わう。中日国際結婚は、我々が想像するほどロマンチックではなく、幸せに満ちあふれたものでもない。多くの在日中国人妻の体験を通じて、「国際結婚は愛情だけでは成り立たない」という事実を我々は思い知らされる。

 記者はこのほど、東京地区に住む10人の中国人妻にインタビューを行った。彼女らは、自分の結婚生活に対してほぼ満足しているが、日本人の夫との間に起こる大小さまざまなトラブルによって、自分と夫との結婚観に大きな隔たりがあることを痛感していた。

 まず精神的な支えとしての夫の役割に対する認識や価値観の相違だ。在日中国人妻の考えからすると、夫に覇気が十分あるかどうかは、妻が夫を敬い慕うことができるかどうかの重要な鍵となる。しかし、中国人妻を満足させるに足る覇気を持った日本人男性はほとんどいないのが現状だ。吉林省出身の在日中国人妻・石双華さん(仮名、36)は、昨年街で経験した出来事によって、彼女が心に抱いていた日本人夫のイメージが粉々に壊されたという。夫と新宿の街を歩いていた石さんは、うっかりチンピラにぶつかり、彼らが因縁をつけてきた。怖くてたまらなくなった時、なんと、彼女の夫は遠くの方へ逃げていた。結局、石さんは一人でチンピラ達にさんざん頭を下げて事なきを得た。取材したその他の中国人妻の中にも、同じような経験をした人がいた。ゴキブリやネズミを見て大騒ぎする夫。地震が起こると、それほど揺れが激しくないのに、妻のことなど一切構わずに一人で逃げた夫。さらには、自分の妻がセクハラ被害に遭っても抗議する勇気のない夫。一見したところ亭主関白を気どる日本人夫の多くは、実は見かけ倒しだ。在日中国人妻を取材して得た結論は、もし、本当に気概のある男性と結婚を望むならば、日本人は第一の選択肢ではないということだ。日本人を夫に持つ妻は、日常生活できめ細かく夫の面倒を見るだけではなく、精神的にも夫の大きな支えとなることが求められている。

 人間関係における内と外のとらえ方が異なることも、在日中国人女性と日本人夫との間で感情的確執が起こる要因だ。恋愛は当事者2人だけのことだが、結婚は2人の異なる生活圏が交わりを持つことになるため、互いの生活圏にうまく溶け込むことが求められる。しかし中日両国の文化や考え方が異なるため、在日中国人妻が日本人の舅・姑とうまくやっていくことは、現実的にはかなり困難だ。在日中国人妻の洪琳菲さん(仮名、42)は、日本人の夫と結婚した当初、姑と良い関係を築くために非常に努力したが、どうやっても姑に認めてもらうことはできなかった。そして今では、洪さんはお姑さんと一切口をきかなくなった。夫と洪さんの両親との関係はというと、見知らぬ人同士と変わらないという。結婚した14年前、夫と彼女の両親は一度だけ一緒に食事をしたことがあるが、年越しも祝日も、夫は妻の両親にあいさつさえもしない。洪さんと夫は、そのたびに口論となる。夫は、その時にはいつも、「僕は、自分の両親に対しても同じ態度だから」と言い訳をした。同じ東洋の国とはいえ、中国人と日本人の身内に対する考え方は全く違うと、在日中国妻は身に染みるほど感じている。この点について、中国人女性は、日本人男性と家庭を持つ前に、十分すぎるほどの心構えを持つことが必要であろう。

 中日両国の多くの人は、「中国人と日本人は、外見が良く似ており、食習慣の違いもそれほど大きくない。どちらも箸を使い、漢字を書く。従って、中国人と日本人との国際結婚は、一定の期間を過ぎて慣れれば、うまくやって行けるだろう」と楽観的に考えている。だが、結婚観の違いによって在日中国人妻と日本人夫との間に生じる様々な衝突を見ると、結婚は、愛情だけで成立するという単純なものではないことが良く分かる。

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