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中国大学入試、繁体字など非規範文字の使用厳禁
2012年 5月 20日15:00 / 提供:人民網日本語版

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2009年四川省大学入試で受験生の黄蛉さんが古代文字を使って書いた作文答案

 中国で来月6日から行われる今年の全国大学入試試験では、繁体字、甲骨文字、火星文(記号を多用した言葉)、ネット用語など、現行規範に合致しない中国語文字の使用が例外なく禁じられる。揚子晩報が伝えた。

 中国教育部はこのほど、「2012年全国統一大学入試試験関連業務規定」を発表した。「入試には、外国語の科目を除き、筆記試験には中国語文字を用いることとする」という従来の規定に替わって、「筆記試験には、現行の規範文字を用いることとする」という新規定が今回初めて登場した。今回の改正により、受験生は、入試の答案作成、特に作文問題において、非規範文字を使う事が一切許されなくなった。

 ▽教育部の新規定、繁体字やネット用語を封殺

 中国語言語・文字を専門とする南京師範大学文学院の董志翹教授は、「現在規範化されている中国語言語・文字には、文字規範と言語規範の2種類がある。文字規範は、現在通用している簡体字を指し、甲骨文字は言うまでもなく、繁体字や古代文字を一切使用することはできない。言語は、音声・文法・語彙の3つを含む。この3分野全てにおいて規範に合致している必要があり、ネット用語や記号を多用した『火星文』など認定されていない言葉を使用することは許されない」と説明した。

 上海では昨年、すでに同様の政策が発表され、受験生がネット用語を作文に用いることが禁止された。

 ▽江蘇省 文語文を用いた作文答案が毎年登場

 大学入試国語科の採点に長年携わってきた顧桂南先生は、「古い漢字を使って作文を書く生徒は毎年見受けられる。なかには、甲骨文字を使う生徒もいた。最も印象深い答案は、2010年度に受験した如皐高校に在籍する王雲飛さんの文章だ。全文が文語文で書かれており、今では使われていない古い文字もたくさん使われていた。採点を担当した教師は、それらの文字に関する知識がなかったので、南京師範大の呉新江教授に採点を依頼した。この文章には、高得点がつけられた」とこれまでの経験を振り返った。

 この時、「文語文の天才・王雲飛」と題する独占記事が揚子晩報に掲載された。大学入試の作文答案に由緒正しい文語文を書いた技能が評価され、王雲飛さんは破格の好成績で東南大学に合格した。

 顧先生によると、これまで、古代文字については、「使用を奨励しない」という対応を続けてきたという。「大学入試の採点をしていて、古代文字を使用した答案が出てきた時には、ケースバイケースで対応してきた。採点担当の先生が古代文字で書かれた答案をチェックすることはなく、直ちに再調査チームを経由して南京師範大の文語文専門家に採点を依頼するため、古代文字を使っていることを理由に減点することはない」と話す。だが、古代文字で作文を書いた受験生の得点が全て高得点というわけではない。同条件・同レベルという状況ならば、文語文で書いた作文の得点が一般作文の得点を上回ることは考えられない。

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