Home > ニュース > 社会  > 旧正月の海外旅行がブーム、中国人による商品買い占め
旧正月の海外旅行がブーム、中国人による商品買い占め
2012年 2月 7日15:42 / 提供:人民網日本語版

 今年の春節(中国の旧正月)、海外旅行とショッピングの魅力により、多くの北京市民が出国した。北京市出入境辺防検査総駅のデータによると、春節期間中に海外旅行に出かけた北京市民は延べ18万1429人に達し、昨年同期比で大幅増となった。うち欧米を目的地とする観光客が多かった。旅行代理店によると、中国人観光客の旺盛な購買力による刺激を受け、アメリカ、イギリス、フランス等の国家は観光客のショッピングの利便性を高めるため、一連の措置(銀聯カードの使用範囲の拡大、中国語を話せる店員の増加等)を講じている。北京晨報が報じた。

 ◆中国人観光客の高い購買力

 北京市民のケイさんはアメリカ旅行を終えたばかりだ。ケイさんは辰年の新春を、家族や友人と共にアメリカ西海岸で過ごすことを決めた。ケイさんの旅の目的はレジャーであったが、シャネルの化粧品やプラダのバッグを購入してしまった。「私が行ったのは、一般的な店舗です。そこで売られていた世界一流ブランド品は中国と比べ格安で、私のような節約家でも2万元(約24万円)ほど使ってしまいました」ケイさんはアメリカの空港の免税店で、多くの商品が売り切れていることに気づいた。華僑の店員によると、春節期間中に中国人観光客が空港の免税店で商品を買い占めるため、品切れが相次いでいるとのことだった。

 これまでも北京市民は春節期間の海外旅行に熱心で、価格が平日より高めとなるが参加者が多い。春節期間、中国旅行社総社からは約400人が、中国青年旅行社からは約600人がアメリカ旅行に向けて出発した。北京市出入境辺防検査総駅のデータによると、1月22−28日の18時まで、同部門が行った出入国検査は延べ31万6302人に達した。うち入国者数は延べ13万4783人、出国者数は延べ18万1429人となり、昨年の春節期間から14%増加した。

 ◆ショッピングが欧米旅行の目的に

 イギリスの各メディアは、中国人観光客が新年になるとイギリスで買い占めを行うことを報じており、「北京ポンド」(中国人が消費するポンド)と称している。世界贅沢品教会のデータによると、中国人による贅沢品消費が世界一となっている。同協会がこのほど発表した、中国人が春節期間に海外で購入する贅沢品に関する調査結果によると、中国人は春節期間中に海外で72億ドル(約5544億円)消費し、過去最高を記録した。うち消費額が最も高かったのは欧州で、全体の46%を占めた。また香港・マカオ・台湾は35%、北米は19%となった。購入された主な商品は、高級腕時計、革製品、衣料品、化粧品、香水。欧州のうち観光客の消費が集中したのは、フランス、イタリア、イギリス、スイスで、米国のうち消費が集中したのは、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ボストン、ハワイ、シカゴ、ワシントン。

 ◆銀聯カード、アメリカで使用範囲拡大

 中国人観光客のショッピングの利便性を高めるため、欧米各国で対策が講じられている。中国旅行社総社の叢玲氏は、「アメリカでは当初、銀聯カードを使用できる店舗は少なかった。しかし現在、多くの中国人観光客がアメリカを訪れており、銀聯カードの使用範囲も拡大した。例えば空港の免税店、大型ショッピングモール、百貨店のMacy's、アウトレットモール等で使用できるようになった。また一部の免税店では、値下げ商品でも銀聯カードの使用で1割引きされる。またアメリカ現地の銀聯カード会員スーパーも観光客に対して解放され、価格も安価だ」と説明した。

 また中国語を話せる店員の雇用も進んでいる。イギリスのボンドストリートの店舗は、中国語を話せる店員を雇用し、中国人観光客のサービスを担当させている。フランスの百貨店プランタンやギャラリー・ラファイエットは、中国人を対象とする税金払い戻しカウンターを設け、従業員の多くを華僑としている。


関連記事