Home > ニュース > 社会  > 健在の南京大虐殺生存者300人余りに
健在の南京大虐殺生存者300人余りに
2011年 4月 7日10:15 / 提供:新華網日本語=中国通信社

13814722_21n.jpg

南京大虐殺の生存者と南京大虐殺犠牲者の遺族

 南京大虐殺記念館の朱成山館長は5日、新華社記者に大虐殺の生存者が高齢のために数多く亡くなっており、現在わかっているだけで健在の人は300人余りと語った。  

 朱館長は次のように強調した。南京大虐殺の生存者は特別な人たちで、戦争の被害者であり、歴史の生き証人でもある。その言葉は歴史の最良の証言であり、歴史の否定を企む日本の右翼に対する最良の反撃である。生存者は長年にわたり、歴史を証言し、当時の歴史をより多くの人に伝えるために多くのことをしてきた。

 南京市の関係機関は生存者を探し、支援するため長年多くの努力をしてきた。1984年、91年、97年の3回、大規模な生存者の調査を行った。特に97年は夏休みを利用し1万人余りの学生を動員して南京市の13区・県の70歳以上の人を調査し、生存者について2400件余りの手掛かりを得た。専門家による検証を経て、新たに1213人の生存者が確認された。  

 朱館長によると、生存者の証言を残そうと、記念館と専門家は模索を繰り返し、証言集や名簿集を出版し、同時に生存者について記録した2260件のファイルをまとめた。  

 日本軍による南京大虐殺から73年余りが過ぎており、これは生存者が最年少でも74歳近いことを意味している。高齢になり亡くなる生存者が少なくない。朱館長は次のように語った。生存者の居住分布が非常に広く、統計作業が難しい。記念館の資料でわかっている健在の人は300人余りにすぎない。

 朱館長の説明によると、記念館は長年、生存者を探す活動を続けており、近年も新たな手掛かりが見つかっているという。南京以外でも見つかり、専門家による検証を経て、生存者のファイルに追加している。

 記念館南側の「南京大虐殺犠牲者名の壁」延長工事が5日、完成した。延長された壁に新たに2067人の犠牲者の名前が刻まれ、合計1万311人となった。  

この壁は「慟哭の壁」とも呼ばれるもので、中国科学院院士(会員)で東南大学建築設計院院長の斉康?教授が設計し、完成させた。

13814722_11n.jpg

慟哭の壁

 朱館長の説明によると、壁はこれまで長さ43メートル、高さ3.5メートルだったが、延長工事で長さが69.5メートルになった。1995年初めの完成当時、刻まれていた名前は3000人で、犠牲となった30万人同胞を象徴していた。2007年に新館がオープンし、壁の名前は8000人余りに増え、今回また2067人が追加された。  

 記念館では同日、「南京大虐殺生存者肖像」展も始まった。30人の肖像が展示され、それぞれに散文詩と説明が付けられている。

 1937年12月13日、中国侵略日本軍は南京を占領し、その後1カ月余り、寸鉄も帯びぬ一般市民と捕虜の軍人30万人を虐殺した。