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患者が無関係の医師を殴り 容疑者は「罪を認め」釈放
2008年 3月 27日17:25 / 提供:

 医院の検査・治療に不満を持ち、上海市の患者と家族が復旦大学付属耳鼻咽喉科・眼科医院で大騒ぎを起こした。殴られた同医院の若い医師は、脳震盪・網膜震盪・視力の急激な低下かを起こし、かなり長期にわたって手術ができなくなった。事件後、容疑者は地元警察に連行され、「おとなしく、罪を認めた」ため、その場で釈放されたという。医院側によると、現在、当該事件はまだ捜査中で、殴られた医師は治療を受けているという。

殴られた医師「もう話したくない」

 患者の潘さんは近視が1200度であり、数カ月前に同医院でレーザー手術を受けた。手術前の検査で、患者の情況は正常だった。手術後の何回の再検査でも、何の異常も見つけられず、視力は大体回復した。3週間前に、調子が良くないため、外来診療の検査で高度近視網膜病変と分かった。20日午前、患者は外来診療の女性の医師を探しに来たが、見つけられないため、周医師を見た後、事件を起こした。

公安部門「医師と患者の揉め事はまず仲裁」

 「患者が警察で供述した時、おとなしく、積極的に賠償の意思を示したため、釈放したのだ」と、徐匯公安支局の関係者は、まだ捜査中と話した。こうした取り扱い方は優しすぎるのではないか?周医師を警察まで付き添った高医師は、最近半年以内に、本人が3回も殴られ、患者が何も言わず拳を突き出したのだが、3回の処理結果も同様で、患者が罪を認め、うやむやのうちに終わるようになったと苦情を述べた。

 徐匯公安支局の関係者は、医師と患者の揉め事は是非をはっきり判断できず、常に仲裁と矛盾の鎮静化で解決すると語った。

背景材料

 2007年に医療関係者が殴られた事件は23件一部の医院、医師への不満で、上海市では毎年、医療関係者が殴られ、医療関係者の生命安全に関わる事件が数10件も起きたという。医師と患者の矛盾が発生した原因も複雑で、関係部門はこういう事件を取り扱っても仕方がないという態度を示している。

 調査によると、2007年に上海市の各医療機関で起きた殴打事件は23件、医療関係者を脅迫した事件は96件、医療関係者の人身の自由を束縛した事件は44件だった。上海市衛生局スポークスマンの宋氏によると、ほとんどの事件で、被害に遭った医療関係者は追及の権利を放棄したという。その原因は、「現在、全社会の普遍的認識では、医師と患者の矛盾だというと、間違ったのはいつも医師の方であるため、医療関係者に理があっても理解してもらえないのだ」という。宋氏は、関係部門が医療矛盾は理性的に解決されるべきで、患者が医師に八つ当たりしてはいけないと、呼びかけている。

(実習編集:王 燕華)