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総第101期
会社法の改正に伴い、会社登記に係る中国政府の実施監督管理に伴う重要な一環が改革されます。具体的には、会社登録資本の登記制度は、『登録資本登記制度改革方案』の公布・実施[1]により重大な改正が行われる。
要約して説明しますと全体的には主に次の変更が行われます。
関連内容 |
原規定 |
改正後 |
意義 |
登録資本の払込 |
払込み引受制 |
株主の誠実信用への監督を強化 | |
株主の責任範囲 |
出資額が上限 |
払込み引受額が上限 |
株主の民事責任範囲を強化 |
出資期限 |
限定 |
自由に決められる |
株主の自由意志を強化 |
貨幣出資金額 |
最低金額あり |
最低金額なし |
非貨幣出資の余地が向上 |
営業許可証の登記内容 |
実質払込み資本額が記載 |
記載なし |
日常的な監督管理を強化 |
出資金検証 |
あり |
撤廃 |
将来への監督管理を強化 |
年度検査 |
あり |
撤廃 |
信用への監督管理を強化 |
上述の改正について、実務で注意するべき要点は次のとおり。
1)
株主が負担する債務責任がより強化された
有限責任公司の株主が会社に負う債務責任は有限責任であるものの、今後その責任に対する法的要件が強化される。
株主は、払込み引受を限度として、債務に対して責任を負わなければならない。同時に、実務において株主が全額出資しなかった場合、不足する部分の出資額についても、債務責任を負わなければならない。
当然ながら、株主が払込み引受制を利用して自己の責任を回避しようとした場合、刑事責任を負うおそれもあり、改正案は刑事責任においても監督管理を強化しているので、注意が必要となる。
2)
会社定款の内容がより重要に
出資額、出資期限、出資方法等で本来の厳格な制限が緩和されたので、株主は上述内容について、定款の制定、その内容の設定において比較的自由に決めることができる。
これに相応して、会社定款は開示性の法律文書として、株主、会社への拘束力もより強化される。合弁プロジェクトにおいては、定款は出資内容と関連する事項等直接合弁会社の日常経営管理を拘束するので、合弁会社の定款の役割は合弁契約よりも重要となる。
3)
工商局の監督管理は日常面でより強化
今後、経営許可証における実質払込みの記載欄がなくなるので、登録資本金から企業の実力、与信力を判断することが難しくなる。まさにこれに起因して、工商局としても、公開されている信用システム、税務局/外貨管理局とのリンク等の手段を通じて企業への日常監督管理を強化して、企業の経営責任回避を防止していくと思われる。
4)
特定業界はなお登録資本払込等の規制を受ける
特定業界、例えば、銀行業、保険業、労務派遣業、建設業、特殊業界等は、なお登録資本払込等の規制を受ける。
5)
外資企業の連合年度検査改革は細分化待ち
年度検査制度は撤廃されたものの、外資企業の連合年度検査(工商局以外の商委、外管局、税務局、税関等官庁の連合年度検査)の改革の方向性は、現在まだ確定しておらず、実務での取扱原則は細分化されると思われる。
当所が把握している状況では、深セン市では先行してすでに簡略改革を進めており、外貨管理と税務の連合年度検査は保持しているという。
上海各地区の工商局、商委によって、同方案の処理も異なると思われ、浦東地区から先行して実施することが予想される。